トーヨー新スタッドレス 鬼クルミの量が6倍に
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:トーヨータイヤ
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重量があり、止まらない、曲がらないミニバンにとって、アイス性能はとても大事だが、もちろん重さに対処したそれ以外の性能も無視する事はできない。その観点でもMK4αは安心できる。
それはタイヤの造りを見れば明らかで、TOYOタイヤの生産技術の高さに関心するほど、数々の要素を取り入れた凝った造りをしている。そのベースにあるのが、その効果の高さから今ではミニバン専用タイヤでなくても採用されるケースが多い、左右比対称の造り。直進時に使うタイヤの内側と、旋回中に使うタイヤの外側を造り分けるもので、簡単な話がサマータイヤでいうと内側はコンフォートタイヤ、外側はスポーツタイヤというハイブリッド構造とも言える。
その左右造り分けがスタッドレスタイヤのMK4αでは明確に解る。見た目からして、内側には進行方向に対して垂直になるようにスタッドレス特有のサイプと呼ばれる細かな溝が刻まれ、外側には旋回中の横方向の力にも耐えられるように斜めにサイプが刻まれる。また目に見えない内部構造は、車両のグラッとしたふらつきを抑えるべく高剛性なベースを保ちつつ、そのうえに乗るコンパウンドと呼ばれるゴムは3種類を採用。ベース部には経年変化を抑えたコンパウンドを使い、その上に乗る内側ブロックにはスーパーソフト、外側ブロックにはソフトコンパウンドを採用。また内側のショルダーと呼ばれるタイヤの端は、アイス性能等を求めて角張っており、外側はコーナーリング性能を求めて丸まっているのも特徴。
さらに驚くのは、サイプの内部側面を凸凹にして力が掛かったときに隣のサイプと結合させてブロックの倒れ込みを防ぐという、今ではスタッドレスタイヤの定石の構造があるが、それも左右別のパターンで造り込んでいる事。この造りに製造技術上の難しさがあるが、内側ブロックのサイプには縦方向、外側ブロックのサイプには横方向の力に対応する別々の凸凹パターンを採用している。
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