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新型エルグランド、プロトタイプに先行試乗!

FRからFFへ、8年ぶりの大変身

97年に初代が登場するや、高級ビッグミニバンという新ジャンルを開拓した初代エルグランド。トヨタがそれを黙ってみているはずもなく、2002年5月21日に2代目エルグランドが登場すると、翌22日には、まるで図ったかのようにアルファードを投入。日産vsトヨタのミニバン頂上対決はこうして始まった。

エルグランドは「FR」、アルファードは「FF」という違いはあったものの、走行性能も広さも装備も価格もまさにガチンコ対決。というわけで、デビューからしばらくは販売面でもつばぜり合いを演じていたのだが、2008年にアルファードがフルモデルチェンジを実施するとともに、テイストの異なる兄弟車のヴェルファイアを投入した時点で勝負は決した。その後は、アルファード/ヴェルファイアが、実力的にもセールス的にも、このクラスの王者に君臨し、現在に至っている。

なぜエルグランドはモデルチェンジを行うことなく、先代を8年間も引っ張ったのか。その背景には、おそらく収益性にまつわる経営判断があっただろう。エルグランドは国内専用車であり、グローバル展開をしない。となればトータルの販売台数は少なくなり、投資の見返り予想が苦しくなる。カルロス・ゴーンらしいドライな経営判断だが、そんなことは、はっきり言って新型の登場を待ちわびていたオーナーにとっては関係ない。アルファード/ヴェルファイアの好調ぶりを考えるまでもなく、日産は開発を遅らせるべきではなかった。そもそもこのジャンルを開拓し、切り開いてきたのはエルグランドなのだし、いまやこのジャンルは政治家やタレント、企業トップなどがオーナーリストにずらりと並ぶ、メーカーの顔でもあるのだから。

そんなわけで、好調な販売をマークするライバルを横目に、エルグランドの担当開発陣はきっと地団駄を踏んでいたに違いない。しかし、悪いことばかりではなかったようだ。「エルグランドファンの方を長くお待たせしたのは大変申し訳ないと思います。しかし結果的に、8年間という時間が商品の実力を押し上げることになったのも事実です」と、開発責任者である平野CPSは言う。

事実、対面した新型エルグランドは、市販前のプロトタイプという位置づけのモデルだったものの、僕の想像を超える出来映えを見せてくれた。早速、試乗レポートへと話題を進めていこう。

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