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日本の一般道で世界が注目するモデル3に乗ったら、テスラ史上最もスポーティな性格だった

高級感はないが、シンプルで斬新な世界観

モデルSでも思ったが、価格を踏まえるとテスラの内装の質感は高くない。プラスチッキーだし、パーツの組み上げ精度も高いとは言えない。バッテリーが高いので、同じ価格帯のモデルと比べたら内外装にお金を掛けられないことがわかる。

それでも、センターに置かれた15インチの大型タッチスクリーンでエアコン、オーディオ、ハンドルやミラーの調整まで操作可能で、運転に必要な最小限のものしかコックピット周りに配置されない超の付くシンプル設計は魅力的だ。仕事机にはパソコンとその時に必要なモノしか置かないような人なら、この内装はとても気に入るはずだ。

さて、モデル3で大きく進化したのは走り、特にハンドリングだ。モデルSよりボディサイズを小さくして街乗り仕様にしたクルマと思いきや、実はそのコンパクトさをスポーティ方向に振っている。

その理由はボディ剛性の向上だろう。僕が乗っているモデルSを含めて、テスラのボディ剛性はそれほど高くない。サーキットをガンガン走ったら一昔前のクルマのようにヨレてボディの建てつけがキシみそうだ。バッテリーがボディの低いところにあるから低重心でコーナーリング速度は高いが、その特性をフルに使おうとは思えなかったわけだ。

しかし、モデル3にはそんな感覚を一切抱かない。ガンガンにタイヤを追い込んでワインディングをスポーティに走っても、全くボディが負ける気がしない。逆にいなし効果が少なすぎて、もう少し操作に対する反応に遊びがあってもいいと思うほどだ。

電動ドライブは速度コントロールがしやすく、0-96km/h加速で4.5秒と、現行「ポルシェ 911 カレラ」並の速さも備えている。試乗車はFRだったが、強く加速してもフロントが全くと言っていいほど浮き上がらず、加速する際にも4WDのようにハンドルが効いたのも見事だ。テスラはコンパクトなモデル3で街中ドライブを提案しただけでなく、電動ドライブ×高剛性ボディによるスポーティな乗り味、走りの楽しさも狙っているのかもしれない。

ただ、モデルSのタイヤのように内側にスポンジを貼り付けて消音しているわけではないのでロードノイズは鮮明に入ってくる。乗り心地もややハード。ミッドシップスポーツカーのようなスポーティなハンドリングからすると妥当でもあるが、街中のドライブでも、モデルSのような他を圧倒する上質な電気自動車の世界感はない。

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