新レクサスLS海外試乗 ライバルを超えられるか
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:トヨタ自動車
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:トヨタ自動車
まず、LS460をチェックする。乗り出しは非常に滑らかな加速と乗り心地に満足できた。BMWやアウディを意識するあまり、レクサスの本流を失っているのかどうか心配だったのだ。新型レクサスGSの完成度が高いので、マイナーチェンジのLSはハンディがあると予想していたが、新型LSの走り味は最もレクサスらしい、信頼できる快適性を持っていた。エンジンはスルスルと加速し、8速ATとのマッチングは良く、変速ショックはない。GSとの差別化はしっかりと行われている。
しかし、ガソリンエンジンを搭載するLS460は、アイドルストップが現状では実用化できていないという、ある意味で辛い立場にある。2モーター・フルHVのLS600hがモーター発進するので、中途半端なアイドルストップ機構ではハイブリッドとの完成度の整合性が取れないのだ。
それに、最近のプレミアムカーのV8はターボ化が進んでいるので、自然吸気のV8では肉食系ユーザーは物足りないかもしれない。もっとも肉食系にはハイブリッドのLS600hが用意されている。
LS600hはガソリン車と比べても明確に走りが差別化されている。予算が許すならLSはハイブリッドで乗りたい。静かでトルクフルな電気モーターは低い速度ならいつでも頼りになる。街中を走る限りは最高の快適性を味わえるし、ハイブリッド車のネックであった高速走行も、120km/h前後までなら御利益を感じる。バイワイヤー式ブレーキの踏力感はガソリン車のLS460と変わらないリニアなフィールになった。
新型LSのキャビンは日本人らしい細かい気配りを感じる。その一つが幻想的なアンビエントライト(間接照明)だ。暗くなってからLSのドアを開けるときっと誇らしく思うはずだ。ハイブリッドならさらに静寂さも加わり、これほど癒される空間は他にないかもしれない。
「F SPORT」でも上品さは守られている。荒れたフリーウェイでもサスペンションはしっかりとストロークするようになった。ドライバーアシスト技術(プリクラッシュ・セーフティ)も充実し安全性でも抜かりはない。
LSのフルモデルチェンジは数年後となるわけだが、今回のマイナーチェンジとは思えない進化に、改めて私はレクサスのやる気を感じることができた。
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