なぜ「マツダ3」に「SUBARU」ロゴ!? ゴミから生まれCO2排出激減の「再生カーボン」が結んだ異色のコラボ
掲載 carview! 文:編集部/写真:SUBARU、編集部 6
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スバルの航空宇宙部門は、ボーイング「787」などの中央翼を製造しており、機体製造で生まれたカーボン(CFRP)の端材を活用した再生カーボンの開発に取り組んでいた。
宇都宮の工場を視察した際のエピソードを聞かれ、前田育男氏(マツダ・スピリット・レーシング代表)が「ゴミ箱を見て驚いた。素晴らしいゴミが山のようにあった」と言えば、本井雅人氏(チームSDAエンジニアリング代表)も「ドラム缶の中が宝の山に見えた」と語るほどカーボンの端材(と言っても航空機の端材なのでかなり大きい)が眠っていたそうだ。“ゴミ(=お宝)”の量はおよそ10~30トン/年にもなるという。
航空宇宙部門では、大きい廃材は樹脂を一度焼き剥がし「再生炭素繊維(リサイクルカーボン)」を作成、それを再度積層・樹脂含浸・硬化させ、カーボンパーツを制作する技術を確立。細かな端材は、小さなカーボンの繊維を取り出し、一方向に繊維をそろえた「スライバー」と呼ばれるものを作り、それを再度織り合わせることでカーボンパーツを作成するという。
従来、カーボンパーツは2000~3000度という高温で焼くため多くのCO2を排出していたが、再生カーボンは、樹脂を焼き剥がすのにそこまで高い温度が必要ないため、CO2排出量を1/6~1/10に削減することができるそうだ。しかもこの再生カーボンの強度はオリジナルと変わらず、何度でも再利用ができるという。
航空宇宙カンパニーの関根尚之氏は「ゴミが廃棄物として捨てられていたのをゼロにしたい。樹脂を焼き飛ばすだけでなく、薬品などを使用して取り除きさらにCO2を削減する方法も検討している」と意気込み、今後は自動車以外での再生カーボンの活用も目指しているそうだ。
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