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レクサスLC専用生産ラインで量産とは違う新たな試みを見た

レクサスLC専用生産ラインで量産とは違う新たな試みを見た

元町工場 LC専用ファイナルアッセンブリーライン

技能認定を受けたTAKUMIがじっくりと組み上げる

時間の流れ方も、いわゆる大量生産の工場とはまったく異なる。タクトタイム、要するに1工程のために振り分けられた時間は19.1分で、これはトヨタ自動車の量産ラインの何と約20倍もの長さとなる。

見れば、なるほど流れ作業でひたすらに部品を取り付けては次の工程に流れていくという感じではなく、1箇所で多くの作業が、じっくり時間をかけて行われている。言ってみれば単なる流れ作業ではなく、それぞれの工程で、多くの要素を把握しながら、あるいは深い知識を元に組み立てが行われているということである。そのため、LCのアッセンブリーラインでは、技能認定を受けたTAKUMI(=匠)しか作業に当たることは許されていない。

1工程当たりの作業が多いので、それだけライン自体は短くなる。率直に言って、LC専用生産ラインは、拍子抜けするほど短い。更に印象的なのは、手作業の領域がとても多いことで、このファイナルアッセンブリーライン上で見かけたロボットはたったの1基だけだった。また、工程ごとに作業が終わると「よし!」という声が響くのにも驚いた。せっかくロボットじゃなく人間が主役の工場なので、皆で声をかけあって生産品質を高めていこうという狙いだという。正直、ここは猛烈に今どきっぽくなく、そして日本っぽい。

とは言え、それは単に職人技に頼っているという意味ではない。工程ごとの作業の実施項目などは、すべてタブレット上で確認が可能。またデジタルトルクレンチは、ボルト類の正確なトルクでの締め付けを可能にしており、しかもそのデータもまたすべてタブレットに送られて、管理されている。

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