ボルボ オーシャンレースモデル 13年を先取り
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一
オーシャンレース・エディションは特別限定車という位置づけであり、エンジンやサスペンションといったハードウェア面にカタログモデルとの違いはない。したがって、ドライブフィールはオリジナルモデルと同じと考えていい。そんななか、注目したいのが2013年モデルの仕様を先取りしていることだ。
レーザーレーダーを使って30km/h以下での衝突を防止、もしくは軽減するシティーセーフティは2012年モデルの各ボルボ車同様全車標準装備。しかし、カメラとミリ波レーダーを使って200km/hまでの衝突防止もしくは軽減、加えて歩行者の検知をも可能としたヒューマンセーフティについては、オプション価格を従来の25万円から20万円に引き下げ。と同時に、カメラ性能の向上やソフトウェアのチューニングによって、歩行者検知能力にさらに磨きをかけた。
ヒューマンセーフティはミリ波レーダーで距離、カメラで対象物を画像認識することで高精度な歩行者検知を実現している。興味深いのは、カメラによって対象物の形や大きさだけでなく、動きを読み取り、歩行者であるかどうかを判断するというロジックだ。今回のアップデートでは、カメラと画像認識ソフトの精度向上によって対象物が人間であるかどうかの判断精度がさらに高まったという。これまでボルボは「ボブ君」というかなりリアルな風船人形を使ってヒューマンセーフティのデモを行ってきたが、新型はボブ君を人間として認識しないため、デモ用に何を使うか頭を悩ませているという。この種の安全デバイスは確実に作動することも重要だが、誤作動をしないのも同じぐらい大切なこと。リアルな風船人形を人間だと勘違いしない新しいヒューマンセーフティは、また一歩人間に近づいた。
制限速度標識と追い越し禁止標識を認識し、ディスプレイに表示するロードサイン・インフォメーションや、アクティブハイビーム、オートライトなど、安全性と利便性を高める装備がさらに充実したのも見逃せない部分だ。
たとえ船をもっていなくても、海辺をドライブするだけでなにやら嬉しい気分にさせてくれる・・・オーシャンレース・エディションとはそんなクルマだ。なかでももっとも多くの販売台数を見込むV60は燃費を13.6km/Lに改善しエコカー減税対象にもなっている。ボルボのもつお堅いイメージはここにきて急速に変わりつつあるが、そんな動きをさらに加速させる魅力的な限定モデルとして、オーシャンレース・エディションは要注目である。
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