最新シューティングブレークの高性能グレード、VW アルテオン RとメルセデスAMG CLAによる異種格闘技の結果は?
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 107
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 107
ここ数年、メーカーのデザイナーと話をするとしばしば「シューティングブレークをやってみたい!」という発言を耳にする。確かに背が高くてゴツいSUVのデザインばかりやっていると、たまにはロー&スリークなシューティングブレークを手掛けたくなるのは理解できる。8月の世界カー・オブ・ザ・イヤーのサマーミーティングでは、ヒュンダイ ジェネシスの副社長でチーフデザイナーのルーク・ドンカーヴォルケが間もなく発売される「G70シューティングブレーク」を持ち込んでデザイン論を展開した。
この“ワゴンのクーペバージョン”と言えるスタイリッシュなクルマのルーツは1900年代に英国に現れた狩猟用のワゴンだった。主にリッチな領主たちの遊び道具だったゆえに、ベースになっていたのはアストンマーティンなどのスポーツカー(クーペ)で、それゆえに主に3ドアだったのだ。
話を現代にもどして、このシューティングブレークは最近になって数社がカタログに載せるようになってきており日本市場では「メルセデス・ベンツ CLA シューティングブレーク」に次いで、今年7月からフォルクスワーゲン・ジャパンがトップモデルの「アルテオン」にシューティングブレークを追加した。
すでにドイツでは320馬力の「アルテオン R シューティングブレーク」もラインアップされ、このグレードに匹敵する「メルセデスAMG CLA 35 4マチック シューティングブレーク」を引き連れて比較テストを行った。(※スペックはドイツ仕様に基づく)
「シューティングブレーク」を標榜するだけあり、両者のボディスタイルは一般のワゴンとは異なりスタイリッシュで、リアエンドにつながる低いルーフが目を引く。とくにCLAはリアクォーターウィンドウが極端に狭く、斜め後方の視界を遮るほどである。
となると気になるのはリアシートの居住性だが、身長190cmのアシスタントが座っても両モデル共に無理なく座れる。ただし全長4.87mと一回り大きなアルテオンの方が余裕はある。また全長4.69mのCLAでもトランクルームは505~1370L、アルテオンは565~1632Lと、一般的なワゴンよりは100リッター以上少ない。それでもバックレストを倒せば長尺のスポーツ用品などの収納も可能で、デザイン優先のライフスタイルモデルと考えれば納得がゆくはずだ。インテリアは共に高い仕上げ品質を誇り、最新鋭のフルデジタル装備となっているが、メルセデスはちょっとアバンギャルドでクローム多めで、アルテオンは落ち着いた雰囲気をもっている。これは好みの問題、さらにはオーナーの年齢にもよるだろう。
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