ミュルザンヌとフライングスパー、V8モデル2台試乗
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:望月 浩彦
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6.7リッターOHV V8ツインターボとZF8段ATのコンビは、車重2710kgという重量級のボディを楽々と加速させる。最高出力発生回転数は4200rpmと低く、低域からグーンとトルクを湧き出させるのだ。一方、エンジンは基本的に静かだが、深く踏み込んだときに聴こえてくるサウンドは、モダンなドイツ式設計のフライングスパーV8とは異なる、ややパサついた音質なのが面白い。とはいえ、0-100km/h加速5.3秒、最高速296km/hというパフォーマンスが公表されているから、イザとなればかなりの俊足を発揮してくれるはずだ。
全長5.7mに近い巨体にもかかわらず、特に広いとはいえない箱根の道をサイズを持て余さずに走れるのは、ミュルザンヌの全幅が1925mmと、フライングスパーの1985mmよりむしろ狭いからだ。とはいえ、フライングスパーもそれだけある割に幅に神経を遣わずに済むのは、ボディ形状が基本的にスクエアだからだろう。ホイールベースと全長がひと回り長いことも効いて、ミュルザンヌの乗り心地はフライングスパーより一段とゆったりした動きが印象的で、そういう意味でもベントレーのフラッグシップに相応しい。
その一方でミュルザンヌ、空いたワインディングロードに駆り立ててみたら、意外な一面を垣間見せてくれた。連続可変ダンピングコントロールを備えるエアサスペンションは、4年前の日本上陸直後に乗ったときに実感したほど柔らかい印象はなく、もちろん依然としてソフトではあるものの、コーナーではだいぶ締まった感触をもたらすようになったと感じた。デビュー以来今まで、スペック上の変更はないとのことだが、電子制御のセッティングが微妙に変化している可能性は充分にある、というのが僕の印象である。
いずれにせよ、車重2.7トンの巨体が、タイトコーナーを含む箱根のワインディングをドライバーの思うままのラインを辿って駆け抜けることができるのを実感したのは、いい意味で新鮮な驚きだった。大きいとはいえ、さすがル・マン覇者のスポーツカーを祖先に持つブリティッシュサルーンである。ただし一点、状況によってはステアリングに軽いバイブレーションが伝わってくるのが気になったことを、書き添えておこう。
それはともかく、フォルクスワーゲンのコントロール下にありながらも、フラッグシップのミュルザンヌにブリティッシュ高級サルーンの真髄が今も宿っていることを確認できたのが、今回のV8ベントレー試乗の何物にも代え難い収穫だったといえる。
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