【パルサーGTI-R再来!?】新型オーラNISMO 4WDは、アテーサE-TSの伝統息づく痛快ホットハッチだった
掲載 carview! 文:編集部/写真:編集部、日産自動車 13
掲載 carview! 文:編集部/写真:編集部、日産自動車 13
アテーサE-TSを搭載した「スカイラインGT-R(R32)」の時代より「速く走るための四輪駆動」の技術を磨いてきた日産だが、さらにそこにアリアNISMOで培った電動モーターの緻密な制御技術もオーラNISMOに生かされているという。
具体的には、リアモーターの駆動力を上げることで、フロントタイヤをより積極的に旋回方向に使用。前後のモーターを独立して緻密に制御することで、高いライントレース性を実現し“早く踏める四輪制御”を目指したという。なお、アテーサE-TSからの最大の進化は電動駆動ならではの制御の細やかさ。電駆の圧倒的な制御応答で駆動力を緻密にコントロールできるそうで、今回はタイヤのスリップ率を細かく感知し、少しスリップを許容する方向でセッティングしているという。
そのようなことを頭に入れテストコースで試乗してみる。
赤いスタートスイッチを押すと、エンジンがブオンッと……目覚めないのは電動モデルならでは。Dに入れアクセルを踏めば、スルスルと静かに加速していく。
オーラNISMOのドライブモードは3種類。デフォルトが最も穏やかな「ECO」、回生ブレーキの減速力が最も弱く様々な路面で自然なフィーリングが楽しめる「NORMAL」(これがデフォルトでいい気もするが……)、そして4WDのポテンシャルを最も感じられる「NISMO」モードだ。
で、各モードの違いはこんな感じ。今回はECO→NORMAL→NISMOの順で試してみた。
ECO:お?
NORMAL:おぉ!!
NISMO:おおおお!!!!
全くもって意味不明なのはご容赦いただきたいが、専用のシャシーパーツや補強によりスッキリとレスポンスよく反応するオーラNISMOのハンドリングはそのままに、4WD化に伴い前後重量配分が64:36→58:42に改善された結果(と車重が増えた分)、全体的にどっしり安定しながらコーナーをクリアしていく。車両の素の良さを味わえるのがECOの印象だ。今回はテストコースでの試乗だったので、一般道での乗り心地などは未知数だが、これなら普段使いに何ら不満はないだろう。
一方NORMALになると、駆動配分をコントロールする4WDのおかげでコーナー立ち上がりでアクセルを開けてもアンダーが出ず狙ったラインに自然と乗せていくことができる。自分の狙った通りにクルマが曲がってくれるので、運転に余裕が出て、速さだけでなく安心感にもつながっていく。
そしてNISMOモードでは、立ち上がりで後ろから蹴られる印象がより強まる。最大で前:後=3:7のトルク配分になるそうだ。この特性を意識してコーナー途中から早めにアクセルを開けてクルマを曲げていけるようになると“スポーツ四駆を操っている感”が一段と高まりコーナリングが楽しくなる。アテーサE-TSから日産が磨いてきた“速く走るための四輪駆動”の一旦を垣間見ることができるのだ。今回はテストコースで常識の範囲内の速度でしか走れなかったが、ミニサーキットに持っていっても非常に楽しそうだ。
(次ページに続く)
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