エンジンは死なない。再生CNGで排出量をマイナスに下げるアウディの野望
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:アウディ ジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:アウディ ジャパン
アウディはずっと前から天然ガス自動車(CNG車)にこだわってきた。ニュルブルクリンク24時間レースでも「フォルクスワーゲン シロッコGT24CNG」が走ったことがあったが、開発にはアウディが深く関わっている。数年前からアウディはCNG車の開発に力を注ぎ、A3ベースのCNG車「A3 g-tron」の普及をもくろんでいる。(カービューでも「A3 g-tron」の試乗記をレポートした。)
「A3 g-tron」は1.4LのTFSIエンジンをベースに開発されたもので、ボディはゴルフと同じMQBプラットフォームを使用している。後席下に高圧タンクを搭載し、ガソリンと天然ガスの2種類の燃料を使うユニークな技術だが、CNGは環境に優しいというメリットを十分に活かしている。
今回試乗した新しいCNG車はA4ベースの「A4 g-tron」。エンジンは縦置きの2L TFSIだ。つまりMLBプラットフォームを使うことになるが、基本原理は「A3 g-tron」と同じである。「A4 g-tron」が登場したことで、今後MLBを使うモデル(A8・A6・Q5など)にも拡大できるという。エンジンは「170PS+270Nm」のパフォーマンスを持っているので、アウトバーンを200km/hで走ることも可能だ。
エンジンをスタートさせると、高圧タンクから天然ガス(メタンCH4)がシリンダーに噴射され、空気と混ざることで燃焼する。メタンは燃焼速度が速いので、エンジン音の違いを感じるが、ガソリン燃焼と似ているので、天然ガスが無くなるとガソリン燃料に切り替わり、同じエンジンで燃焼させることが可能だ。天然ガスはカロリーが少ないのでパワーダウンしやすいが、ターボのノッキングにはめっぽう強いのでブースト圧を高めて、ガソリン燃料とのパワー差をなくしている。だから、どっちの燃料でエンジンが動いても体感できない。0-100km/h加速はどちらも同じ8.6秒で駆け抜けることができる。
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