フォレスター雪上試乗、ハードな状況でこそ
掲載 更新 carview! 写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 写真:篠原 晃一
3月2日-3日の週末、雪上でスバルの最新SUVラインナップを試乗できる『SUBARU SUV Snow Meeting』が群馬県の川場スキー場で開催された。このイベントは一般の方にスバルの4WD性能を体感してもらうという趣旨だが、今回カービュー取材班は朝一番に設けられたメディア枠で新型フォレスターに試乗させてもらった。
2日早朝、銀世界を目指して意気揚々と東京を出発。ところがこの日は北関東にも大寒波が到来し、川場村周辺はあいにく朝から雪と強風に見舞われていた。また、川場スキー場まで続くつづら折りの峠道では坂を上れなくなるクルマが続出。チェーン規制のみならず、「4WD車以外は通さない」という臨時の検問までもできるほどだった。
とはいえ、こういったハードな状況でこそ真価を発揮するのがフォレスターであり、スバルが誇るシンメトリカルAWD。苦労して到着した甲斐があって、その真価を肌で感じ取ることができた。
到着して早々、新型フォレスターの「X-MODE」を試す。X-MODEはエンジン・トランスミッション・AWD・VDCを統合制御し、4輪の駆動力やブレーキなどを適切にコントロールして、誰でも容易に悪路を走ることができる機能だ。X-MODEのオン/オフは、X-MODEバッチの“横にあるアイコンスイッチ”を押すだけ。ボタンが分かりづらいという難点はあるものの、一度知ってしまえばさしたる問題ではないだろう。ちなみにX-MODEは時速40km以上になると自動解除される。
今回用意されたパイロンスラロームは数百メートルの短いものではあったが、雪が深く降り積もり、凸凹の大きいハードな状態になっていた。それゆえ、X-MODEのオン/オフで挙動の違いがよりハッキリと分かった。
まず、X-MODEをオフにしてコースインする。すると、時折タイヤが空転したり横滑りしながらも、VDCが適時介入して、悪路を物ともせずにぐいぐいと突き進んでいく。スタックするような心配はまったく不要。このあたりは、シンメトリカルAWDによる前後左右に優れた重量バランスや低重心の賜物だろう。たとえX-MODEがオフでも、十分な走破力を持っていると感じられた。
次にX-MODEをオンにして走ってみる。すると、クルマの挙動が先ほどとは明らかに変わり、走りがよりスムーズで滑らかになった。これは、VDCが“先回り”して早い段階からクルマの挙動を安定させ、無駄な動きを排除しているからだ。またアクセル操作への反応も穏やかになるため、ラフな操作をしてもラフな動きにはならない。これなら誰もが安心して雪道を走れるはずだ。
次に体感したのは「ヒルディセントコントロール」。これはスキー場前の急坂を使ってテストしたのだが、路面はスノーとアイスが混じった過酷な状況で、俗に言うブラックアイスバーンもそこかしこに見えた。スノーブーツで歩いても油断すると転んでしまいそうなほど。
そんな状況ではブレーキ操作に神経をすり減らすことになるが、ヒルディセントコントロールを使えば速度はクルマ任せで、ステアリング操作に集中できる。実際フォレスターは時速4km~20kmの範囲で、路面状況や傾斜にかかわらず、一定の速度でゆっくりと坂を下っていってくれるのだ。
ちなみに帰りの下り坂では3箇所で事故が起こっていて、都合10台のクルマが大小の傷を負っていた。信頼できる「4WD」と「ヒルディセントコントロール」があれば…と思わずにはいられなかった(スタッドレスタイヤもですね)。そういえばスバルには、「アイサイト」という信頼の衝突予防システムもある。もちろん過信は禁物だが、安心感は運転にゆとりをもたせて、疲労やストレスも減らしてくれる。“移動の自由”と“安全”を手に入れているスバルのSUV。吹雪の銀世界ではいつも以上に頼もしく見えた。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
スバル新型「S210」登場! 計算された“300馬力”の意図は? めちゃ速いのに室内が超快適なワケとは? 「“スゴい”スポーツセダン」についてSTI本部長に聞いてみた!
今や“シールドあり”が主流!? 「オフロードヘルメット」とは?
タナク、2.5秒差の3番手から虎視眈々「明日を楽しみにしている」/WRCスウェーデン デイ2コメント
ランチア「ストラトス」やアウディ「クワトロ」など貴重なラリーカーが富士を逆走!「トヨタ7」のエンジンにも火が入りました
Genbの『ハイエース』用ブレーキパッドが進化、同乗者や積載物にも優しい自然なフィーリング実現
【あなたはどっち?】クルマの購入は計画的に! 買うなら「ローン」か「一括」か問題を考える
クルマ好き男性にそっと教えてあげたい。同乗女性からの“格付け”をガタ落ちさせる「ヤバい仕草」4選
【すでに販売枠終了の噂】新型「GRカローラ」日本初公開。台数制限ナシでもまた買えないのか…?
【アルヴェルオーナー必見】「レグノ」の新作「タイプRV」は、後席の快適性爆上がり+運転も楽しめるタイヤだった
【高性能なだけではダメ?】新型GRカローラが先輩GRヤリスを超える“伝説の名車”に育つ鍵はナラティブ(物語)にあり
【今さら聞けない】車好きが得意げに語る「FF・FR」って何ソレ? 雪道で四駆が強い理由も解説
GRスープラ“最終仕様”日本初公開に「カッコいい」「生産終了が惜しい」の声…300台限定で今春投入
【本当はどうなの?】再々販「ランクル70」オーナー評価…燃費、盗難など「不便」は当り前。MT待望論も
【BEV戦略は撤回】ボルボの頂点「XC90」が末期でも大幅改良の背景。BEVより注目度も高そう
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!