【検証】4月発売の注目車「ZR-V」はカロクロやクロストレックよりお買い得?
掲載 carview! 文:編集部/写真:ホンダ技研工業 49
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ホンダが昨年11月に発表した新型ミドルサイズSUV「ZR-V」。発売は4月21日と少し先だが、すでにバックオーダーで工場出荷時期目途はヴェゼル同様、「1年程度」となっており、早くも大人気モデルの仲間入りだ。そこで今回は、そのZR-Vをライバルと比較しながらお買い得度を探ってみたい。
まずはZR-Vのスペックをおさらいすると、ボディサイズは全長4570×全幅1840×全高1620mmと、コンパクトセグメントの「ヴェゼル」よりもやや大きく、ZR-Vと入れ替えで終売になった「CR-V」より少しだけ小さいサイズ感。
パワートレーンは2.0Lハイブリッドの「e:HEV」(エンジン141ps/182Nm+モーター184ps/315Nm)、または1.5Lターボ(178ps/240Nm)の2種となる。
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全長4.5m級のCセグメントクロスオーバーというカテゴリーで有力なライバルになりそうなのは、販売絶好調の「トヨタ カローラクロス」と、登場したばかりの「スバル クロストレック」。
以下ではZR-Vとこの2車種を比較してみよう。なお、クロストレックはマイルドハイブリッドのみでフルハイブリッドがないため、検討対象はガソリン車で揃えたい。
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最初にそれぞれの人気グレードを見ていく。ZR-Vはエントリーグレードの「X」(294万9100円/以下すべてFF車の税込価格)でも、パワーテールゲートが標準となるなどかなり装備が充実しているので、「X」は人気グレードとなるだろう。
一方、カローラクロスは、最安の「G”X”」(199万9000円)やひとつ上の「G」(224万円)でもアルミホイールが付かないなど装備が相対的に簡素なので、売れ線は最上級の「Z」(264万円)だろう。
クロストレックについては、上級の「リミテッド」(306万9000円)が11.6インチインフォテイメントシステムなどを装備する豪華グレードになるため、他の2車種と装備水準が似通った「ツーリング」(266万2000円)が売れ筋として挙げられる。
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ここで、3車種の人気グレードを価格順に並べると…
1:ZR-V「X」(294万9100円)
2:クロストレック「Touring」(266万2000円)
3:カローラクロス「Z」(264万円)
…となり、ZR-Vだけ30万円近く高価だが、それを正当化するだけの差異はあるのかを見ていきたい。
まず、装備の面での違いは…
・スピーカー数|ZR-V:8個、クロストレック:6個、カローラクロス:4個
・メータークラスター|ZR-Vは10.2インチ液晶パネル、クロストレック及びカローラクロスはアナログ
…などで、特に液晶メーターは大きな差別化ポイントだ。
また、パンチングメタルを使った横一文字のエアコンアウトレットやソフトパッドの多用など、ZR-Vのインテリアはクロストレックやカローラクロスより凝ったデザインになっている。
ただし、カローラクロス「Z」は運転席8ウェイパワーシートが標準(ZR-Vおよびクロストレックはマニュアル調整式)となるなど、一概にZR-Vの充実がすべての点で卓越しているというわけではない。
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<写真:ZR-V>
むしろ、差があるのは走りに関する部分。エンジンスペックは、カローラクロスが1.8L自然吸気(140ps/170Nm)、クロストレックが2.0L自然吸気マイルドハイブリッド(145ps/188Nm+13.6ps/65Nm)となっており、ZR-V(1.5Lターボで178ps/240Nm)は明確に差をつけている。
さらに、カローラクロスのFF車はリアサスペンションがトーションビーム式で、ZR-Vのマルチリンク式、およびクロストレックのダブルウィッシュボーン式よりもコストを重視した感が強い。
もちろん、SUVで積極的に走りを追求する人は少数派かもしれないが、エンジンパワーは高速道路への楽な合流や長時間走行での疲労軽減に直結するし、サスペンションは長距離、あるいは年数を経て感じる快適性にも影響する。それゆえ、この違いは比較時のチェックポイントとして挙げたいところ。
以上から、余裕あるスペックとコストのかかったサスペンション、さらにはインテリアの高級感等の点で30万円の差は元が取れると判断できる。というわけで、上記3モデルの中からZR-Vの「X」グレードをイチオシとしたい。
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