航続距離は1000km!? メルセデスF125 続報
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏
メルセデス・ベンツは「F」で始まるコンセプト・モデルを1991年のF100以来、ほぼ定期的に各地のモーターショーで公開している。
この「F」はドイツ語でフォーシュンク(Forschung : 研究)あるいはフューチャー(未来)を意味しており、その時代の最先端技術を組み込んだ、非常に興味深い提案を持つクルマに仕上がっている。そして今回のフランクフルト・モーターショーでは創立を記念すべき125というナンバーを与えられたコンセプト「F125」が登場した。
巨大な1枚のガルウィングドアを持った全長およそ5メートル、4シーター・クーペは、チーフデザイナーのゴーデン・ワーゲナーが率いるアドバンスド・デザイン部門から生み出されたもの。ボディ・スタイルは果敢にも、メルセデス・ベンツのアイコンであるグリルに挑戦し、いわゆる鉄仮面と言われていたメッキ部分をこれまでにないカタチでボディ表面にとけ込むようなスリットだけで済ませている。
またリアに見られるふくよかな凸面を含む、ボディ全体を包む抑揚の強いサーフェスは現行のCLSを思わせるようだが、関係者の話ではこのデザインの流れが次期SクラスやCLクラスに適用されると言われる。
もちろん冒頭に述べたようにこの研究車両F125にはこれまでにないハイテックが組み込まれている。
まずボディはアルミとカーボン、そして従来のグラスファイバー強化プラスチックと高張力鋼板のコンポジットで、フロアには「メタルオーガニック・フレームワーク」と呼ばれる未来の素材で構成されており、なんとこのフロアユニットに燃料電池用の水素がナノテクを使って貯蔵される。
基本的にはこの水素を使って前後のアクスルにフランジされている合計4基の電気モーターを駆動する。やはりバネ下重量の増加を嫌ってインホイール方式は採用していない。「e4Matic」と名付けられたこの未来の4WDシステムは当然アクティブ・トルクベクトリングをはじめとする制御をそれぞれの車輪で行う。
このF125で、さらに面白いのは念のためにリチウム・サルファー・バッテリーを搭載したプラグイン・ユニットが加わっていることで、ここにあらかじめ充電しておく。それもインダクティブ充電のため面倒なケーブルは不要である。
あるいは想像するに、走行中にキネティックエネルギーを電気に回生する事で、航続距離はなんと1000kmに達すると言われる。つまりフューエルセル(FC)とプラグインを組み合わせたシステムで、トータル出力は313馬力と現行Eクラス並み。およそ1.7トンのボディを僅か4.9秒で時速100kmまで加速させ、最高速度は220km/hに達すると言われる。
また燃費は100km走行するのに0.79kgの水素を消費するが、これをエネルギー換算すると、100kmを2.7リッター(約37km/L)で走行。ディーゼル・エンジンに匹敵する超低燃費車となる。
メルセデス・ベンツF125はまさに今回のモーターショーのスローガンである「未来は標準装備」に相応しいコンセプト・モデルであった。
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