超硬派のコルベットZ06に試乗。659ps/881Nmのモンスター級エンジン
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
さてZ06の暴力的な要素ばかりを伝えてきたが、旋回中にアクセルを踏むといった不適切な操作をしないなどの基礎を心掛け、あとは慣れてしまえば街中ドライブやデートカーとしても十分に使えることをお伝えしておこう。
なぜなら、ボタン一つでシフト変速時のエンジン回転を勝手に合わせてくれるレブマッチ機能があるので、シフト操作に必要以上に気を使わずに済む。また、ギア比がかなり穏やかな加速特性になるツアーモード(エコ、ウエザーモードも含む)も設定される。通常のクルマでは1速6000回転だと時速60kmくらいしか出ないギア比設定だが、Z06はその回転数で時速100kmも出る。このような “緩い”ギア比なので、多少アクセル操作ミスをしても、過敏にクルマの動きが乱れることはない。しかしながら、そのギア比であの加速力というのが、さらに驚きの事実でもある。
回転数を上げて走ると少しのアクセル操作にも過敏に反応するレーシーな特性を持ちつつも、通常よりも2、3段高いギアを使って極低回転で走りだした途端に扱いやすくなる。それはド級のエンジン性能が、極低回転でも十分な粘りと加速力を生み出すから。具体的には高速道路を7速ギアで時速100km巡航すると、回転数は1150回転。通常のエンジンならこんな回転数ではアクセルを踏んでも加速しない。しかし、最大トルク881Nmのこのエンジンでは十分に使える回転数。街中を走る際の穏やかな加速だと、1000回転を切る回転数でも十分に交通の流れに乗れる加速力を生み出すのだ。
ちなみに乗り味について触れておくが、意外にも乗り心地は良い。ガチッとしたボディにしなやかな足回りのお手本的味付けで、路面の起伏に対する追従性がよく、突き上げ感の角も少ないしフラットライド感が高い。しかも前後重量バランスがよく、ギャップ乗り越え時に前後が同調して動くので目線がブレないのも良い。
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