ホットハッチの未来形、新型ゴルフGTIに試乗!

ダイナミックかつ快適

その新型ゴルフGTI、実際に走らせてみると、低回転域から発生する強大なトルクをキッチリたしなめるDSGの躾のよさもさることながら、シャシーの洗練度向上が強く印象に残る。不快な音・振動といった要素が大きく低減していることは基準車そのもののレベルアップに沿うところも大きいだろう。

しかし常用域で劇的に改善された乗り心地の良さはDCCの効果によるところが大きいはずだ。総じて新型ゴルフGTIは、街乗りからハイアベレージの高速巡航まで、デイリーカーとしてみても上質で、満足出来る快適性を身につけているといえる。

XDSの採用は特に中～高速域でのコーナリング時に恩恵がみてとれる。5代目ではこの域で強く感じられたアンダーステアがしっかり抑えられており、そのマナーは徹底的にニュートラルだ。もっとも、XDSの効果は公道域でそう易々と察知できるものではない。クローズドコースのような環境がなければ限界など試しようがないほど、骨格の側できっちりと旋回力を確保している。

たとえ山道でDCCをコンフォートモードに入れっぱなしにしていようが、適度なロールとフラットなダンピングで、相当な速度アベレージを保つことが出来るわけだ。先に日本に導入されたシロッコは低重心＋ワイドトレッドのアドバンテージがあるが、恐らくコーナリングスピードという点で新型ゴルフGTIは、さほど劣るものでもないだろう。