【誰もが憧れた大スター】現在の感覚では800万円オーバーかも？ 最強のスペシャルティクーペ 初代トヨタ「ソアラ」

トヨタ ソアラ

街中で注目を浴び、高速では無敵

ラインアップは前述の2.8Lの2800GTとともに、2.0L（125ps）も用意していたが、あくまで主役は2800GT。ちなみに最上級バージョンの「2800GTエクストラ」の価格は291万3000円。現在の感覚では800万円オーバーのイメージである。

ソアラは瞬く間にユーザーの熱烈な歓迎を受ける。当時はまだクルマがステータスシンボルとしての価値を持っていた。まさにソアラは、「路上のキング」だった。

町を走っていると周囲の視線を釘付けにし、駐車場では、よく話し掛けられた。また高速道路では、当時のスポーツモデルにバトルを挑まれた。

だがソアラは無敵だった。後方から速いクルマに迫られても、アクセルを深々と踏み込むだけでライバルをバックミラーの点にすることができたのだ。しかも室内は静粛なまま。適度にエンジンサウンドが高まるだけで高速域でも快適な室内環境はそのままだった。

こんなクルマは、当時の国産車にはソアラを置いてなかった。ソアラをドライビングすることは無上の喜びであり、所有することはクルマ好きの夢だった。

ソアラはデビュー4ヶ月後に2.0Lにターボ（145ps）を追加。翌年の1982年3月には本革シートを持つ「2800GTリミテッド」を登場させるなど、魅力を高める戦略を次々に実施。

1984年1月には2.0L DOHC 24V（160ps）を搭載した「2000GT」も加わる。ちなみにドアミラーが標準となるのは、この時からだ。

（終わり）

（写真：トヨタ、レクサス）