911 ターボ×911 GT3 最強サーキットテスト
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:中野 英幸
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そんなの環境が叫ばれるイマドキの話じゃない、と思う人は結構いるだろう。果たしてそうだろうか? 僕は決してそんなことはない、と思う。
まず第一にこれほどの速さや快感を手に入れるためには、それなりの対価が求められる。GT3は1766万円、ターボは2015万円と、確実に限られた人のためのものとなる。しかもそれらの人たちは社会的なコストを我々よりも確実に多く支払っているに違いない。
加えてポルシェですら、環境への対応を決して怠ってはいない。GT3の欧州燃費値(コンバイン)は12.6L/100km、CO2排出量は298g/km。ターボの欧州燃費値(コンバイン)は11.4L/100km、CO2排出量は268g/km。それらの数値は絶対値では低いとはいえないだろうが、総体値では極めて低い。その性能を考えるとむしろ、極めて効率的といえる。事実、プリウスは同じ数値で見ると、4.0L/100kmと92g/kmといった具合で、ターボと比べると燃費もCO2排出量も約1/3となる。が、一方で性能を考えるとターボはプリウスに対して馬力で3.6倍、最高速で1.7倍、0-100km/h加速で約3倍を実現する。
そんな風にして視点を変えて見れば、効率は決して悪いわけではないのだ、911ターボは。いや、むしろ優れた効率を持っている。
ちなみに前ポルシェ社長であるDr.ヴィーデキング氏は、いつかのショーでカイエン・ハイブリッドについてこんな旨をスピーチしていたことが忘れられない。
地球温暖化の要因となる温室効果ガスに含まれるCO2の割合があって、その中で自動車が発生するものの割合があり、その中にポルシェが発生するものの割合がある。そんな風にして見ていくと、ポルシェが環境に与える影響というのは、世に数多ある量産メーカーが環境に与える影響よりも遥かに小さいと。
だが続けて、それでもポルシェは環境への対応を図っている、と言った。そこには真摯な姿勢があった。
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