マスタングはアメ車界の名落語家、その心は?
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:篠原 晃一
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いやもう、わかっちゃいるけど、ここでこう来ますか…と。偉大なる落語家の話芸とでもいうか、もしくは想定してても決められる、アントニオ猪木の卍固めを受けたような気分ですよ。偉大なるアメリカンスポーツの王道、マスタング V8 GT コンバーチブル!
去年末の改良でV8エンジンが4.6リッターから5リッターになり、ピークパワーがほぼ100psアップ増しの418psになってるんだけど、見た目のワイルド&パワフルさ、味の組み立ては昔と全く変わらない。
導入部は、王道のスタイルで観客を魅了。まずフロントの典型的なデコっぱちのワル顔でガツンと圧倒し、マッチョなロングノーズ&ショートデッキフォルムや締まったオシリでホッとさせる。この辺は60年代からクルマを見続けた年配しか分からない感覚だけど、40代の俺でさえ、今のマスタングを見ると「あぁ…変わらない」と、TV映画でロッキー・バルボアを見たような懐かしい気分になる。
しかもマスタングV8は、シルバーパネルを多様したインパネが、ほどよくモダンで、古くささと新しさが見事に同居。運転席前のメーターは、デカいアナログのタコメーターとスピードメーターの組み合わせだが、そこから助手席にかけて質の高いシルバーパネルが張り巡らされ、さらにステアリングはこれまたシルバー3本スポークのスポーティなもの。シフトノブもご丁寧に黒革とシルバー素材が使われ、ほどよいレトロモダン具合。ライバルたる新型シボレー・カマロより絶妙に古臭く、好き好きが別れるところだろう。
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