来年日本上陸予定のボルボ最新セダンS60の実力を上位モデルで確かめた
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:ボルボ・カー・ジャパン
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:ボルボ・カー・ジャパン
ポールスター・エンジニアードは、T6以上にパワートレーンに魅力があった。T6やスタンダードなT8以上にハイチューンのエンジンに、最高出力65kW/117rps、最大トルク240Nm/0-50rpsの電気モーターが加わり(1rps=60rpm)、システム総合では405hp、670Nmにおよぶ。
アクセルを踏みこんでいけば重低音の効いた勇ましいサウンドとともに、全域で図太いトルクを感じさせながら突進していく。T6やスタンダードなT8のエンジンは2200rpmから4800rpmまで最大トルクの400Nmを発生し、性能曲線を見てもそこがフラットになっているが、ポールスター・エンジニアードは2000rpmで400Nmに達した後も上昇を続けて4500rpmで430Nmへ。その後は下降するが5400rpmでもまだ400Nmを維持している。10.4kWhの大容量リチウムイオン・バッテリーを搭載したことによって車両重量は相応に重たくなっているが(詳細は不明だが、XC90の場合はT6とT8の重量差は160kg)、0-100km/hは4.7秒になっている。
ショックアブソーバーはオーリンズの調整式。フロントはボンネットを開けて専用ストラットタワーバーの取り付け部のところで簡単に減衰力を調整できるようになっているのがマニアックだ(リアはタイヤを外して調整可能となる)。
タイヤは245/35R20となり、サスペンションもRデザイン以上に引き締まったものとなるが、ショックアブソーバーの動きの質は高い。微少入力域から減衰がぐっと立ち上がるが、角張ったフィーリングがなくあくまでしなやか。ロールは少ないが、変に突っ張ったり、ギャップで突き上げられたりすることがなく、タイヤを常に路面に押し続けている感覚がある。ハンドリングはさらに俊敏になり、まさしくスポーツセダンといった雰囲気だった。乗り心地は少々硬かったが、セッティングを変更すればいいところも見つかりそうだ。
ブレンボ製6ポッドキャリパーのブレーキは、スポーティに走らせているときの効きやコントロール性は良かったが、日常的な走行ではブレーキ踏力に対しての減速Gが期待とちょっとずれたりするなど、回生ブレーキとの協調制御にまだ課題があった。今回の試乗車はプリプロダクション(量産試作)で熟成する時間はまだ残されているから期待したい。
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