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999台限定、アウディR8の2WDモデル「RWS」はクワトロと別モノ

R8の後輪駆動モデルが登場するまでの紆余曲折

2006年の初代デビュー以来、「アウディ R8」は圧倒的な完成度を誇るミドシップ&4WDのハイテク・スーパーカーとして高く評価されてきた。現行の2代目も、クーペ、スパイダーともに非の打ちようのない出来映えである。だがスポーツカーの魅力は、スペックや出来の良さだけではない。

アウディは、昨秋にフランクフルト・モーターショーで、「R8 V10 RWS」を発表した。「RWS」は、「リア・ホイール・シリーズ」の頭文字で、その名の通り、R8初の後輪駆動モデルである。今回は、今秋にデリバリー開始予定のこのモデルの走りを、スペイン・マドリッドで行われた国際試乗会で体験した。

アウディAGと、同社のハイパフォーマンスカーの開発・生産を担当するクワトロGmbHは、10年以上に渡ってR8の後輪駆動モデルについて、常に検討し続けていたそうだ。そもそもR8は、V8またはV10エンジンをリアミドに搭載した4WDで、もともとリアアクスルの駆動力配分が大きいだけに、技術的には全く問題無い。

だが、“アウディ・ブランドのハイパフォーマンスカーはクワトロ”というイメージが市場に定着していた事が、彼らの足枷になったようだ。RWSのプロジェクト・マネージャーであるマルクス・ハーヴァーカンプ氏は、さらに「“クワトロGmbH”という名前の会社が、前輪駆動にしろ後輪駆動にしろ、2WDモデルをリリースするというのは、ユーザーにチグハグな印象を与えかねない、という判断もありました」と語っている。

だが、クワトロGmbHがアウディ・スポーツに改称したこともあり、余計なしがらみに囚われずに、これまでも要望の多かったR8の後輪駆動モデルを、とりあえず例外的にリリースしてみよう、という事になったのである。というわけで今回のRWSは、クーペとスパイダーが合計で999台の限定生産となる。

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