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新型コンパクトミニバン セッテ&ルミナスの実力

取捨選択がウマイ

一度ミニバンに乗ったら、もうセダンには戻れないとよく言われるが、その大きな魅力は頭上空間のゆとりではないだろうか。そして逆に、ミニバンに乗ってみて気づくことといえば、多彩なシートアレンジはほとんど使わない、ということ。よく使うのは2列目のスライドやリクライニング、1列目から2列目へのウォークスルー、たまに3列目の折り畳み。アレンジの多彩さよりも操作のスムーズさ、そしてポケッテリアが充実していることの方が重要だ。セッテ&ルミナスの室内は、そこらへんの取捨選択がウマイなと感じる。

3:3:2の7人乗りとしたシートは、1列目にベンチタイプとセパレートタイプを用意し、セパレートなら少々窮屈ながらもウォークスルーが可能だ。室内高は1310mmとフリードより高く、2列目は150mmのスライド機能があるので足元を広げられるし、3名分のヘッドレストがあるのにも感心。ただ3列目は見るからに板っぽい座面で、座ってみると横からの圧迫感が気になった。普段は折り畳むことを想定してフラットになるのはいいが、その操作はヘッドレストを外す手間があり、背もたれの分割ができない一体式。「パッソなら6:4分割にできたのに」と、ここは不満が残るところだ。

乗降性では、子供連れやチャイルドシートのお世話をするならばスライドドアがベストだとは思うが、セッテ&ルミナスのヒンジドアはなかなか優秀だ。リヤドアを約70度まで大きく開けることで、スライドドアに負けない935mmの開口幅を確保し、ステップも低く抑えてある。3段階のドアストッパーも強めで、いきなりガバッと開いてしまうこともないし、2列目のシートが軽くスライドするので、3列目の乗り降りもそれほど苦ではない。カップホルダーは全席に揃うし、ティッシュの収納場所や運転席まわりの小物置き場も細かく用意されていて、ポケッテリアは大満足だ。

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