スポーツカー親爺から ニューZへ、愛のムチ!
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:小林 俊樹
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では新しいZ34、実際にドライビングしてはどうなのか。ホイールベースを先代のZ33より100mm短縮すると同時に、各部の剛性を確実に上げた新設計のボディ、そこに組みつけられた新しいサスペンションやブレーキ、従来の3.5リッターから3.7リッターに排気量アップし、VVTLを新採用したV6エンジン、それと組み合わせられる6段MTおよび新開発の7段AT。Z34の走りのポテンシャルは、それら個々のコンポーネンツの能力と、それらが1台のクルマとして有機的に結びつくことによる相乗効果で決まるはずだ。
まず動力性能。VQ37VHRの呼称を与えられた3.7リッターV6は、336ps/7000rpmのパワーと37.2kgm/5200rpmのトルクを生み出し、6段MTもしくは7段ATを介して後輪を駆動する。引っ張るべき車重は車種とトランスミッションによって1480~1530kg。Z33からZ34へのモデルチェンジに当たって、放っておけば110kg増えてしまうのを、ボンネット、ドア、テールゲートのアルミ化その他で減量に努めた結果の車重だという。日本車の慣例にしたがって加速や最高速の具体的な数値は公表されていないが、広報資料によれば加速性能でポルシェ・ケイマンSを上回るという。だが、これはあまり意味のない比較ではないか。ケイマンSは3.4リッターだから3.7リッターのZ が上回って当然という気がするし、ケイマンSは最近フェイスリフトして動力性能もぐっと上がったから、Zが引き合いに出しているのがもしも旧型だとしたら、今はケイマンSの方が速い可能性もある。
そういうことはさて置き、走った印象をいうと、ATの場合もMTの場合も、Z34はミドルクラスの現実的なスポーツカーとして文句のないレベルの動力性能を持っていて、ドライバーが速いクルマに乗っているという実感を得るのに充分な加速をする。しかも、エンジンが7500rpmから始まるレッドゾーン入口までストレスなく一気に吹けるのも、スポーツカーの動力源として望ましい。と同時に、先代Z33の特に前期型のエンジンには、電子制御スロットルの立ち上がりに過敏なセッティングが施してあって、軽く踏んでもドライバーの意図を大幅に上回る勢いで吹け上がり、スムーズに発進するのが難しいといった傾向が顕著だった。ところが幸い新型のエンジンには、そういう荒業は施されていない。だから踏めば踏んだだけ、ドライバーの思いに忠実に回転を上げるのが好ましい。
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