ポルシェの最新4WDシステム・PTMは雪上ドリフトが楽しかった
掲載 更新 carview! 文:竹花 寿実/写真:Kimura Office
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ここからは、「911ターボS」と「911カレラ4 GTS」を乗り換えつつ、4種類のハンドリングコースをそれぞれ約30分ずつ走行した。初めのうちは上手くドリフトに持ち込めなかったコーナーでも、徐々にアプローチの速度やステアリングを切るタイミングと操舵量、スロットルペダルを踏み込むポイントと開度が掴めてくると、クルマが生き生きと走り出した。4種類のコースは徐々にスピードレンジとコーナーの難易度が上がる設定で、最後のコースは森の中に造られたブラインドコーナーだらけの難コースだったが、数周も走れば「911ターボS」でステアリングをニュートラルの状態でドリフトさせる事も、問題無く出来るようになっていた。
これがドライバビリティに難があったかつての4WDシステムであれば、はるかに難しかっただろう。今回参加したジャーナリストの中には、普段は自動車が専門ではない新聞記者なども含まれていたが、彼らもそれなりにクルマを操れるようになっていた。それだけ最新のPTMは、制御システムが優れているということである。
現在ではポルシェの全販売台数のうち、4WDモデルは4割以上に達するという。それはもちろん「カイエン」や「マカン」の比率が高いからだが、911だけで見ても50%近くが4WDだそうだ。つまり、スポーツカーの駆動システムとして、最新のPTMはそれだけ世界で認められているのである。今回雪上でその実力の高さを改めて体感することが出来た。後輪駆動ももちろん魅力に溢れているが、ポルシェの4WDはあえて選ぶだけの価値が確実にある。
2019年にはバッテリーEVの「ポルシェ ミッションE」が発売となる。長く4WDシステムの改良に取り組み、その走りを極めたポルシェが世に送り出す、4輪全てが電子制御の4WDで、600PSを越える最高出力を誇るEVスポーツカーが、果たしてどんな走りを見せてくれるのか。今から非常に楽しみである。
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