ポルシェの最新4WDシステム・PTMは雪上ドリフトが楽しかった
掲載 更新 carview! 文:竹花 寿実/写真:Kimura Office
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そこでポルシェは、1994年に「タイプ993」の「カレラ4」に、パッシブ式のビスカスカップリングを備え、前後アクスルに回転差が生じると、フロントに駆動トルクを伝達する方式を採用する。この4WDシステムは、その後も「タイプ996」の「911カレラ4」や「911ターボ」にも採用されたが、今度はアジリティやドライバビリティは改善したものの、トラクションやスタビリティの面では、4WDのメリットを活かせていなかった。
だが、2006年に登場した「タイプ997」の「911ターボ」から、このような“トラクション/スタビリティとアジリティ/ドライバビリティの両立”の問題が解決に向かい始める。電子制御の電磁式多板クラッチを備えたPTM(ポルシェ・トラクション・マネージメントシステム)が、リアアクスルとフロントアクスルの間の駆動トルクを従来のパッシブ式ビスカスカップリングとは比較にならないほど迅速かつ正確に配分する事を可能にしたのだ。また、トラクション・コントロールを搭載したほか、PTV(ポルシェ・トルク・ベクトリング)により、アジリティが格段に向上したのである。
そして2013年には、「タイプ991」の「911ターボ」が登場する。このモデルが搭載する最新世代のPTMは、電子制御による電動油圧式の多板クラッチを備え、さらに素早く正確なトルク制御を実現。トラクション・コントロールの性能も進化し、一層優れたトラクション性能を実現しながら、PTVによる卓越したアジリティおよびドライバビリティを手に入れている。
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