新型アウディA6に試乗 ベンツ・BMWを抜けるか
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:菊池 貴之
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さて、個人的に一番ヤラれた感があるのはデザインだ。と言ってもインパクトがあるとか、とんでもないアイデアが盛り込まれているってのとはちと違う。それどころか逆で、非常に違和感がなく、こなれている。だが、そこに驚異を感じてしまった。
というのも近年のアウディデザインは、両刃の剣とも言える強力なシングルフレームグリルを「どう収めるか」が最大のテーマ。特に2代前のA6は、当時「世界で最も美しいセダン」とか「イジるところがない」と言われるほど完璧な機能美がジマンだった。そこに敢えてインパクトを盛る作業は困難であり、ヒットした現行3代目A6でさえ、微妙に違和感が残っていたと思う。
が、この新型A6には見事にそれがない。前を行くクルマをどかすことができるほどワイルドな迫力をキープしつつ、それがエレガントなボディに違和感なく繋がり、美しさと毒性が程よく同居している。その一体感は凄い。
細かく見ると角が取れたグリルデザインやワイルドなタレ目が印象的なLEDヘッドライト、ボンネットのプレスライン、伸びやかかつ優雅なサイドラインが見事に調和しているからだろうが、要するに時間をかけて新しい要素を溶け込ませた結果だ。
元アウディデザインの和田智さんによれば、アウディは「時を超えるデザイン」が秘めたるテーマで、短時間で消費するようなカタチは絶対に作らない。逆に言うと、いつ見ても美しい普遍的なデザインを常に目指しているわけで、それでいながら個性的なのが凄い。
植え替えたばかりのハデ過ぎるバラが、数ヶ月たって見事に花畑に馴染むような、時を感じさせるデザインとも言える。
インテリアも、機能優先で直線基調の物から、ほどよく有機的に変化した。これまた上手にビジネスキャラクターの変化を予想させる。
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