マツダがBEVでも「混流生産」にこだわるワケ。スモールプレーヤーならではの“弱者の兵法”と、低迷する国内販売への打開策とは
掲載 carview! 文:編集部 46
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6月中旬、マツダの主要工場の1つである山口県の防府工場が報道陣に公開され、電動化時代において同社が進める取り組みを説明した。
防府工場は、乗用車の組み立てを行う西浦工地区と、トランスミッションを製造する中関地区に分かれており、西浦工地区は、「マツダ2」や「マツダ3」、「CX-30」などのスモールカーを作るH1工場と、「CX-60」や「CX-80」などの「ラージ商品群」を製造するH2工場の2つからなる。トランプ米大統領の関税政策が直撃するであろう、北米向けの「CX-90」もH2工場で作られアメリカへと輸出される。
マツダは、「2030経営方針」の中で、2030年までを3つのフェーズに分け成長戦略を描いている。
フェーズ1(2022年~2024年):成長投資の原資獲得、カーボンニュートラル・電動化への準備
フェーズ2(2025年~2027年):電動化へのトランジション
フェーズ3(2028年~2030年):バッテリーEVの本格導入
進捗状況に関して「フェーズ1は概ね想定通り(常務執行役員 弘中武都氏)」といい、ここから電動化へのトランジションが始まるわけだが、一般的にバッテリーEV(BEV)を本格的に生産するとなると、専用の工場を建設する場合が多い。
しかし、マツダの生産規模は2024年で約120万台。約950万台(2024年)を誇るトヨタの13%程度の規模しかなく、BEVの普及状況もなかなか先が見通せない中、大型の投資はリスクが大きく厳しい。
そこでマツダは、BEVでも得意の「混流生産」を行うという。
(次ページに続く)
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