プジョーの“今”を検証 買い時モデルを発見!
掲載 更新 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:中野 英幸、菊池 貴之(RCZ)
掲載 更新 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:中野 英幸、菊池 貴之(RCZ)
さて、日本の数少ないクーペファンが今、興味津々なのが『RCZ』。コンセプトカー時代から、2つの山のように隆起するリヤガラス“ダブルバブルルーフ”が話題だったが、市販車にもそれはそのまま残り、サイドのルーフラインを縁取るアルミナムアーチとともに、RCZを強烈に目に焼き付ける。
パワートレインは1.6リッター直4のツインスクロールターボエンジンに、右ハンドルの6ATと左ハンドルの6MTが用意され、さらに6MTモデルは200psにチューン。足まわりも変わり、19インチタイヤを履く。
当初、RCZ最大の魅力はデザインだと思っていた。けれども走りだした瞬間に、それは打ち消された。軽快で俊敏でパワーも十分で、ATなのに楽しすぎる。クーペといえば大排気量が多い中で、手に余る屈辱感もなく、急かされる焦燥感もなく、まさにジャストなクオリティとパフォーマンスが、心地よい一体感をくれる。
MTに乗ってみて、さらに驚いた。サウンドチューンで耳からも昂揚感をあおられ、アップしたパワーをカキッとキマる6MTで操るうちに、夢中になっていた。リヤシートは座ろうなどと思わない方が懸命だけど、ラゲッジはしっかり入るのでカップル向けにもオススメだ。
80年代に日本で初めてヒットした「205」に当時熱狂していた若者は今や50代。もっとヒットした「206」なら40代。プジョーを輸入車の足がかりに、もしかしたらBMWなどへ移っていった人もいるかもしれない。でも今のプジョーは、つい戻ってきたくなるほどの魅力にあふれている。『207』で間口は広げつつも、全体のプレミアム感がアップしているし、型にはまらない自由な発想、自由な世界観がしっかり見える。「プジョーへ帰ろう」…そんな言葉が今日も、どこかの家庭で囁かれている、かもしれない。
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