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愛車の履歴書──Vol12.永山瑛太さん(後編)

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愛車の履歴書──Vol12.永山瑛太さん(後編)

愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第12回。俳優の永山瑛太さんが、今気になっているという2代目「デボネア」と生まれて初めて対面した。

三菱ならではの“個性”や“プライド”

愛車の履歴書──Vol12.永山瑛太さん(前編)

【前編はこちら】

人と被らないクルマが好きという永山さんが、今、気になっているクルマの1台が三菱の2代目「デボネアV」。

そこで、GQ JAPANでは三菱自動車の協力のもと、メーカーが保管する初期モデルを用意した。

実車を前にした永山さん、「写真でしか見たことなかったんですが、細長いスタイルがいかにも1980年代の日本車らしいですね。三菱グループのエライ人たちが乗っていたんですよね?」

1986年に登場した2代目デボネアは、20年以上も生産された初代から大きく変わり、一気にモダナイズ。駆動方式も、当時の国産高級車では珍しいFWD(前輪駆動)とすることで、居住性を高めた。

搭載するエンジンは2.0リッターにくわえ3.0リッターも用意。さらに、ドイツ・AMG社が手掛けたスポーツモデルが用意されるなど、法人のみならず個人ユーザーをもターゲットにしたモデルへと生まれ変わった。

もっとも実情は、“三菱グループの役員車”というイメージが強く、トヨタクラウン」や日産セドリック」などの牙城は切り崩せなかった。それゆえ、これらの人気モデルと比べ中古車流通量が少なく希少性が増しているのも事実。珍しいクルマへの感度が高い永山さん向きの1台とも言える。

「同時代にあったほかのメーカーのショーファーカーと比べても、負けていないです。三菱独自とも言うべきデザインへのこだわりを感じました。『ウチはこういうデザインでいくよ!』っていう気合いを、ね。ある種のアンバランスさが、かえって三菱らしさを高めています」

永山さんが指摘するアンバランスとは、全長×全幅の比率だろう。当時、税金面などで有利だった5ナンバーサイズに収めるべく、そのなかでも最大サイズだった全長4690mm×全幅1695mmとしたため、異様に細長くなっているのだ。

ただし、このサイズの決定には三菱グループの内部事情もあったようだ。

「車内は、とくにリアシートの居心地がものすごくよかったですね。ボディサイズ以上に広々感じました。安心感があるんです。なにかあっても後ろの席の人はちゃんと守られるような……」

取材車は保管用のため、エンジンが掛けられず試乗はできない。今回は静止状態でクルマの雰囲気を味わってもらった。外はあいにくの雨だったが、車内の静粛性の高さも印象的だったという。

「フカフカのシート地といい、木目調のパネルといい、今のクルマにはないクラシカルな雰囲気が絶妙ですね」

もし、自身で購入するならどういったデボネアをチョイスするのか?

「ボディカラーはシルバーがいいね。インテリアはレザーか、アクアスキュータム仕様のチェックの布地かな。リアシートがメインかもしれないけれど、運転しても、きっとなにか面白い仕掛けがあるというか、味わい深さを感じられるんでしょうね。今日、運転出来ないのが残念です」

前編では、1999年登場の三菱「プラウディア」も興味を持っていると話されていたが、その真意は?

「三菱ならではの“個性”や“プライド”に惹かれるんでしょうね。あと、街で見かけないから(笑)」

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「クルマに興味を持つようになったのは父の影響かもしれません。父がすごいクルマが好きで、休日になると『クルマを見に行くぞ』と、一緒に付き合わされもしました。で、クルマを見に行ったものの、結局ホイールだけを買って帰るみたいな」

永山さんの幼少期、家にあったクルマは前編でも記したホンダシティ・ターボIだった。

「家族で遠出する時にもマニュアルのシティ・ターボIでしたからね。コーナーへ入っていくときなど『次、左に曲がるから、右に身体がのけぞっていくんだな』ということとかをずっと考えながら乗っていました。だからカーブに入る前は、自身の身体をどう動かせばいいのか、考える癖がつきました」

永山さんは、自然とクルマに興味を持つようになっていたという。

「生活の中にクルマが根付いていたんでしょう。祖父は飛行機の整備士で、父は理数系を得意とし、機械関係の仕事に就いていましたから、その血を受け継いでいるのかもしれません。クルマ=“機械”が好きなのでしょうか。考え方も、数式を解いていくような理詰めの思考が好きですし。もっとも、弟(永山絢斗)の方がその血を強く受け継いだんじゃないかなっていう気はするけれど」

免許取得後、しばらくは自身のクルマはなかったという。初めての愛車は22歳頃にやってきたボルボ「V90」だった。

「(当時の所属)事務所の社長から譲っていただきました。ボディカラーがグリーンで、インテリアがベージュという組み合わせ。それまで、いつも助手席か後部座席に乗っていた“社長のクルマ”というイメージしかありませんでしたから、それをまさか自分に譲ってもらえるとは思ってもいませんでした」

V90には2年ほど乗っていたという。トラブルは皆無だった。

「ボルボは、安心感がありました。よくひとりで運転して現場に行っていましたが、多忙だったのもあって、帰り、居眠りしないように気をつけていたのが懐かしい。あの頃の自分にとっては最高のクルマでしたね。ほかを知らなかったというのもありますが」

ボルボを経て、初めて自ら購入したのがクライスラーの「グランドボイジャー」(4代目)だった。

「仕事が忙しすぎて、とにかく移動車が欲しく買いました。この頃になると、マネージャーがクルマを運転してくれるようになって、リアシートに座る機会が増えたんです。ちょうどNHK大河ドラマや『ラストフレンズ』(フジテレビ系列)、映画『ガマの油』とか撮影している時期だったかな? 滅茶苦茶なスケジュールで、精神的にも参っていたからグランドボイジャーにはかなり救われましたね」

当時、移動用のミニバンといえばトヨタ「アルファード」や「エスティマ」、日産「エルグランド」が主流。輸入車でもメルセデス・ベンツ「Vクラス」を愛用する人が比較的多かった。なぜ、グランドボイジャーを?

「事務所に送迎車用として古いボイジャーがあったんです。そのレザーシートのなんともいえない、アメ車独特な香りが心地良くて。その頃まわりはエスティマとか乗っていたんだけど、他人と違うのに乗りたかったという思いもありました」

移動車ではあったものの、休日などは自らステアリングを握る機会もあったという。その後、永山さんいわく「“ポルシェ沼”にハマりました」。

「ポルシェの正規店に入ってしまったのが運の尽き。はじめて買ったのは『カイエン・ターボ』(2代目)。試乗したときに、“速い!”というだけで選んでしまって……その頃はなにも考えていなかったんですね。実際手元にきたら速すぎました(苦笑)。都心部じゃアクセルを踏み込めるような場所がなくて、それで素の『911カレラ』に乗り換えたんです」

その頃になると富士スピードウェイや筑波サーキットなどでクルマを走らせるようにもなった。あるレーシングドライバーがウェブの記事で「1番サーキットで走りやすい」と、述べていたことからメルセデスAMG「C63」を購入したことも。

「思いっきりサーキットで飛ばしてみたいという気持ちが強くなったんだけれども、危ない目に遭って……そこから考えが変わりました。やっぱりクルマは乗りやすいものでいいやって」

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「自分が役を演じる上で、本当にいつも一生懸命やっていたし、良い作品にしようと努めていましたから、その息抜きが全部クルマでした。“次は何に乗ろう”が仕事に対する原動力でしたね」

ジムニーは移動車としても使っていたというが、「その頃のドライバーの身体がデカすぎて、ふたりで現場の待ち時間をジムニーの中で過ごすのはあまりにも窮屈で……。ハイエースは、当時、オフロードバイクにのめり込んでいたので、運搬用に買いました」

いずれの日本車も、ちょっとノスタルジックな雰囲気とするべくボディカラーやホイールなどをカスタマイズしていたそうだ。

さらにこの2台の前後で、フォードフォーカスRS」にも乗っていたというから驚きだ。

「ネットで見つけて実車を見ずに購入しました。運転が面白いクルマでしたね。今でももう1度乗りたいなぁと思うときがあります」

これほど多くのクルマを乗り継いでいる永山さんであるが、新車を購入したのはほとんどなく、ほぼ中古車。しかも、リセールの良いモデルばかりだから、それほど大きな損をしていないという。実は堅実なカーライフを送っている。

一時はちょっと古い輸入車にも乗ってたそうだ。3代目のポルシェ911(964)である。

「アメリカで空冷ポルシェをイジっている人がいて、名前はちょっと出てこないんだけども、その人のYouTubeやInstagramを見てて、カッコいいなぁと。930、964、993のいずれかで探しました」

見つけたのは911(964)カレラ・コンバーチブルのティプトロニックモデル。電動開閉式ソフトトップが完調の、比較的コンディションの良いモデルを選んだつもりだったというが……。

「ティプトロニックにトラブルが発生し、3速以上に自動で変速しなくなりました。追い討ちをかけて、オイル漏れも発生。空冷をなめていましたね(苦笑)」

なかなか大変な1台だったというが後悔はしていない。

「本当に素晴らしいクルマでした。最新のポルシェとは違いましたね。やっぱりちゃんと、ほんとに心から、この子を愛してあげないと長い付き合いは絶対に出来ないと確信しました」

964の次にイタリア製スーパーカーを購入するも、またもやトランスミッションの不調に悩まされ、すぐに売却。おなじブランドの別モデルに乗り換えた。

「昔の撮影所時代というか、石原裕次郎さんといったスターは、ステータスや、自分の見られ方みたいなものを気にしていなかったと思うんですよね。だからとにかく自分が好きなクルマに乗る。自分もそれでいいんじゃないか? って思ってきたんです。そのとき乗っていたクルマが派手でしたから『うわー』って人に指さされたりもしました。それに対し、どこかで気持ちいいというか、悦に入っていたのかもしれません。でも、その時代があったからこそ、今、色んなことに気づき、そして自分にはどんなクルマが似合うんんだろう? って考えているんです。自分にとって、どんなクルマが心地よくいられるのかな、と。走ってても、他人から見られても」

日本車から輸入車、軽自動車からスーパーカーまで幅広く乗り継いできた永山さんにとって、今所有するパジェロミニとシティ・ターボIIはあらゆる理想・希望に近い1台かもしれない。

が、前編でも記した通り、必ずしも最愛の1台になるかどうかはまだわからないとのこと。

永山さんのクルマ探しは終わりなき旅なのかもしれない。

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永山瑛太(ながやまえいた)

1982年12月13日生まれ、東京都出身。モデルとして活躍後、2001年10月、ドラマ『さよなら、小津先生』で俳優デビュー。以降、ドラマ『のだめカンタービレ』『ラスト・フレンズ』『ヴォイス~命なき者の声~』や、映画『余命1ヶ月の花嫁』『なくもんか』など様々な作品に出演している。近年は、写真家、映画監督、そしてヘドラのソフビ人形を監修と幅広く活躍中。

【愛車の履歴書 バックナンバー】
Vol1.市毛良枝さん 前編/後編
Vol2.野村周平さん 前編/後編
Vol3.宇徳敬子さん 前編/後編
Vol4.坂本九さん&柏木由紀子さん 前編/後編
Vol5.チョコレートプラネット・長田庄平さん 前編/後編
Vol6.工藤静香さん 前編/後編
Vol7.西内まりやさん 前編/後編
Vol8.岩橋玄樹さん 前編/後編
Vol9.吉田沙保里さん 前編/後編
Vol10.板野友美さん 前編/後編
Vol11.常盤貴子さん 前編/後編
Vol12.永山瑛太さん 前編

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

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  • おい、イナガキ、タイトルにたいして本文が脱線しすぎだぞ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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