5年後の車両価値差分析
車選びで何を重視するかは人それぞれだが、将来の乗り換えを考えると、価値が落ちにくい車を選ぶのは賢明だろう。では、具体的にどの車種が価値が落ちにくく、どの車種が価値を失いやすいのだろうか。
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米国の中古車情報会社「iSeeCars」が、2024年3月から2025年2月までに販売された5年落ちの中古車80万台以上を分析した。そこで、5年間の価値低下率を算出した。
分析対象からは、大型トラックやバン、2024年モデル時点で生産終了となったモデル、少量生産モデルは除外された。メーカー希望小売価格は米国労働統計局のデータを基に、2025年のインフレ率を調整して算出。各車両の平均希望小売価格と中古車価格の差を数学的にモデル化し、価値低下率を計算した。
調査結果では、価値低下率が車種ごとに大きく異なることがわかった。電気自動車(EV)は5年後に58.8%の価値を失うのに対し、ピックアップトラック(40.4%)とハイブリッド車(HV)(40.7%)は、新車時の価値をわりと維持している。
全体の業界平均は45.6%で、2023年のコロナ禍の影響を受けた38.8%よりも価値の損失が大きいことが反映されている。
価値が失われにくい車種ランキング
価値が失われにくい車種は次のとおりだ。
● 5年後の価値低下率が最も低い車種トップ10
1位:ポルシェ911(19.5%)
2位:ポルシェ718ケイマン(21.8%)
3位:トヨタ・タコマ(26.0%)
4位:シボレー・コルベット(27.2%)
5位:ホンダ・シビック(28.0%)
6位:シボレー・カマロ(28.0%)
7位:トヨタ・タンドラ(29.1%)
8位:フォード・マスタング(29.2%)
9位:ポルシェ718ボクスター(29.6%)
10位:トヨタ・カローラ(30.1%)
ポルシェ911と718ケイマンは5年後でも価値の低下が最も少ない。トヨタ・タコマ、シボレー・コルベット、ホンダ・シビックがその後に続く。上位25台まで見ると、スポーツカーや小型SUVが多く登場し、トラックやセダンもいくつか含まれている。
「ポルシェのパフォーマンスクーペはパンデミック以前から、当社の残存価値ランキングで一貫して上位か、それに近い位置にありました」
と、iSeeCarsのエグゼクティブアナリスト、カール・ブラウアー氏は説明している。
「今年の残存価値トップ25リストに載っているスポーツカーの数は、自動車メーカーのラインナップで最も売れているモデルであることが多い小型SUVに次ぐものです」(同氏)
ポルシェのスポーツカーは、中古車市場でも高価で取引されているのは理解できる。特に趣味的な要素が強い車種であり、ファンを中心に高い価値を維持しているのだろう。少量生産車種にはおそらくフェラーリなども含まれているだろう。
ポルシェを除けば、ピックアップトラックは他のジャンルよりも残存価値が高い。中古車市場では最も実需があるジャンルだと言える。
トヨタ・タコマとタンドラがトラックジャンルでトップ2を占め、フォード・レンジャー(34.7%)、ジープ・グラディエーター(35.6%)、GMC・キャニオン(38.1%)、日産・フロンティア(38.3%)と、いずれもジャンル平均の40.4%を上回っている。
「中型トラック(の人気)はフルサイズのトラックを上回る傾向があり、これは中型モデルが提供する機能、コスト、サイズのバランスを好む購入者が増えていることを示しています」
とブラウアー氏はコメントしている。実用性が求められる中型ピックアップトラックには、確かな需要があるのだろう。
トヨタHVが価値低下率をけん引
ランキング12位にトヨタのRAV4ハイブリッドが30.9%でランクインしている。HVは5年後の価値低下率が平均40.7%と高い価値を維持するジャンルだ。トヨタはこのジャンルで七つのモデルがランキング入りし、平均を上回っている。
「これらのモデルは燃費効率が高く、航続距離の不安がゼロで、ハイブリッド車に乗り換える消費者が毎日増えており、ハイブリッド車の価値を維持するのに役立っています」
とブラウアー氏は説明している。
HV以外では、トヨタ・RAV4、ホンダ・HR-V、CR-V、スバル・クロストレック、フォレスターなどの小型SUVが人気を集めている。新車市場では売れている車種だが、小型SUVの平均価値低下率は45.5%とやや高い。それでも、人気車種の価値低下率は低めだ。
「実用性、燃費、手頃な価格の組み合わせにより、小型SUVは新車・中古車購入者の両方から業界で最も人気のあるカテゴリーのひとつになりました」
とブラウアー氏は語っている。
価値低下車種トップ10とその傾向
では、逆に5年後に最も価値が下がる車種はどれか。
●5年後の価値低下率が最も高い車種トップ10
1位:ジャガーI-PACE(72.2%)
2位:BMW・7シリーズ(67.1%)
3位:テスラ・モデルS(65.2%)
4位:インフィニティ・QX80(65.0%)
5位:マセラティ・ギブリ(64.7%)
6位:BMW・5シリーズ(64.7%)
7位:日産・リーフ(64.1%)
8位:マセラティ・レヴァンテ(63.7%)
9位:テスラ・モデルX(63.4%)
10位:キャデラック・エスカレードESV(62.9%)
ワースト1位のジャガーI-PACEはEVで、5年後にその価値が72%も失われる。EVは他にもテスラの2モデルと日産・リーフがランクインしている。EVの価値低下率は平均58.8%と高い。テスラのモデル3でさえ、業界平均より10%以上高い。
5年前のEVの状況を考えれば、ある意味では当然だろう。バッテリー性能の向上などで、今後は徐々に価値低下率が低くなり、中古車市場でもシェアが増えると予想される。
「価値低下は依然として新車購入の最もコストのかかる部分であり、消費者は次回の購入を検討する際、車種や特定のモデルの違いを考慮する必要があります」
とブラウアー氏は指摘する。
「ハイブリッド車と電気自動車の購入の違いは、数万ドルの価値の損失になる可能性があります」(同氏)
車選びにおいて、5年後の価値を考慮すれば、より賢い買い物ができるだろう。
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みんなのコメント
EVの値崩れは当たり前ですね。