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新型CTSに試乗。豪華、快適、スポーティ

ATSとの差別化でEセグメント化

CTSは、GMのプレミアムブランドであるキャデラックのうち、ATSとともにグローバル戦略を担う4ドアFRサルーンだ。

1990年代にレクサス、インフィニティ、アキュラなど日本のプレミアムブランドがアメリカ市場を席巻した際、本来真っ先に対抗しなければならないキャデラックは、しかしながら前時代的なサイズと内容のプレミアムサルーンに終始したため、長らく日本勢の後塵を拝した。

このままじゃいかんと2000年代に入ってキャデラックは新しいプレミアムサルーン開発に着手した。新しいRWDプラットフォーム(その前までしばらくキャデラック各車はFWDだった!)と“アート&サイエンス”というテーマにのっとったデザインを採用。その新世代キャデラック第一弾として2003年に登場したのがCTSだ。

新世代キャデラックは、大きくてひたすら豪華というドメスティックなクルマづくりを貫いてきたそれまでとは打って変わって、ニュルブルクリンクで開発するなど、走りを重視したクルマづくりへとかじを切った。初代CTSはメルセデス・ベンツやBMW、それに何より日本のプレミアム勢力と真っ向勝負できるようなグローバルカーだった。

今回で3世代目。全長4970mm、全幅1840mm、全高1465mm、ホイールベース2910mmと、初代や先代よりも少し大きくなった。これまで、CTSはメルセデス・ベンツで言うとCクラスとEクラスの中間に位置するサイズだったが、弟分たるATSがCクラスサイズで登場したことにより、CTSはEクラスのサイズとなった。

全長のわりにホイールベースが長い最近のトレンドにのっとったディメンションだ。RWD車の特権とも言えるフロントオーバーハングが短くリアオーバーハングが長いスタイルのおかげで躍動感を感じる。フロントマスクはキャデラックおなじみのステルス顔。さまざまな面で構成されるカクカクとした顔つきは、初代CTS以来のキャデラックの特徴だ。

インテリアは、かつてのキャデラックのように年寄り向けっぽいデザインから完全に脱却していて、どこの国のプレミアムと比べても、デザイン、質感ともに遜色はない。メーターは全体が液晶パネルだが、速度や回転数はバーチャルでアナログ式に表示される。メーター内の表示は少し煩雑だが、液晶の視認性が高いので特に問題なし。レザーシートは前後とも適度に硬いクッションのおかげで座り心地は良好。フロントシートはクルマの性格に合わせ、左右の張り出しが控えめなタイプだが、サポート性はよい。ラゲッジ容量も十分。ゴルフバックもきちんと真横に収まった。

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