ランボルギーニ期待の「ウルス ペルフォルマンテ」がパイクスピークのSUV記録を更新。日本でも期待される実力とは?
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 36
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パイクスピークはコロラド州にある、ロッキー山脈に連なる山頂のひとつで標高は4301m、毎年アメリカ独立記念日の前後に開催されるヒルクライムで有名だ。ちょうど100回目を迎えた今年は6月26日に行われ、ロビン・シュートがアンリミテッドクラスでドライブした2018ウルフTSC-FSが総合優勝を獲得した。
このタイムトライアルの興奮がそろそろ冷めたと思われた7月の始め、ランボルギーニからパイクスピークへの招待状が届いた。「なんで今頃?」と思ったが、よく読めば「ウルス・プロジェクト」なる文字も見える。
指定されたコロラドスプリングスのホテルへ到着してプログラムを見ると「朝の4時半に用意された「ウラカンSTO」でパイクスピークへ出発!」とあった。
いくらコロラド州の最高法定速度が75マイル/h(約120km/h)と、全米でも速い方とは言え、最高速度310km/hのSTO、しかもこのブルーとオレンジのカラーリングでは目立つことこの上ない。案の定、ハイウエイでパトカーに遭遇、身分証明書の提出を求められた。
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何とか無事にパイクス・ピーク・ヒルクライムのスタート地点に近い駐車場に到着すると、カムフラージュされ、ロールケージや6点式ハーネス付きシートなどを装備したヒルクライム仕様の「ランボルギーニ ウルス」が特設ピットの中でメインテナンスを受けている。
ここでようやく明らかにされたのは、このクルマがぺブルビーチで発表される予定のパフォーマンスモデル「ウルス ペルフォマンテ」のプロトタイプ(正確には量産試作車)だということ。そのデビューを飾るため、パイクスピークで量産SUVモデルの最速記録を樹立すべく、テストの準備が行われていたのである。
つまり6月のパイクスピーク開催時には量産SUVクラスのホモロゲーションがまだ取得できていなかったので、スペック決定を待って記録に挑戦しようというわけだ。
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パイクスピークは有料道路で通行時間制限があり、一般通行は朝9時から始まるために、ランボルギーニのチャレンジングチームは、それ以前にルートを借り切って記録挑戦を行うのだ。
そしてパイクスピークの公式計時チームの下で、イタリア人ドライバーのシモーネ・ファッジオーリ(パイクスピークにおける後輪駆動車カテゴリーのレコードホルダー)によって標高2862mから頂上4301mまで、標高差1439m、およそ20kmのワインディングコースを10分32秒064で走破。これまで「ベントレー ベンテイガ」が保持していた10分49秒902を破ったのである。
さて、改めてこのウルス・ヒルクライム・スペシャルのベースとなった量産モデル「ウルス ペルフォマンテ」を紹介しよう。ベースになったランボルギーニ ウルスは2018年に登場したスポーツSUVで昨年は5240台が生産され、ランボルギーニの記録的な販売台数に大きく貢献した。そして3年目に入った今年に改めてハイエンド版の追加が決定された。
8月19日にクエイルで開催されたモータースポーツギャザリングで一般公開されたウルス ペルフォマンテはグリーンのボディにルーフとボンネット、さらにフロントスカートやディフューザー、ルーフスポイラーがビジブルカーボンでブラックアウトされた2トーンカラーで登場した。
これらのアプリケーションによって車重は47kg軽量化され、38kgのダウンフォース増を達成している。さらに20mm低められ、トレッドも16mm広がったスポーツシャーシが採用され、ハンドリングも向上。
インテリアはステアリングホイールの12時位置に真っ赤なマーキング、さらにカーボン加飾とアルカンタラによるパフォーマンストリムでスポーツムードが高められている。搭載されるV8ツインターボエンジンは16馬力アップの666馬力を発生。0-100km/hは3.3秒、最高速度は306km/hに達する。
社長のステファン・ヴィンケルマンによればこのペルフォマンテに対する顧客の期待は大きく、ウルスの販売台数は40%引き上げられると確信しているといういう。出荷は2022年末からで価格は欧州で21万8487ユーロ(約3050万円)、アメリカでは26万676ドル(訳3600万円)と発表されている。
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