フェラーリFF、日本発表 異端の新型を徹底撮影
掲載 更新 carview! 写真:篠原 晃一
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フェラーリは12日、同社初の4WDモデルとなるFFを日本で正式公開した。2011年のジュネーブショーで公開されたFFは、日本では10月頃からデリバリーが始まる。
FF(Ferrari Four)はフロントエンジン・4座・2ドアのGTモデルだが、何よりもまず同社として初めての4WDモデルとして注目を集める。一般的な4WDシステムと比べると50%も軽量な4WD機構はフェラーリが独自に開発・特許を取得したもので「4RM」と呼ばれる。
その構成は、縦置エンジンをドライブシャフトが前方向にも貫通し、エンジン前に置かれた全長170mmのコンパクトなパワートランスファーユニット(PTU)で前輪を駆動する。PTUは二組の湿式多板クラッチを持ち、前輪の左右に別個にトルクを伝達することが可能だ。
後輪は一般的なFRと同様にドライブシャフトがリアアクスルへと伸び、7速DCTとEデフを一体にしたトランスアクスルユニットが後輪にトルクを分配する。基本的な前後トルクの配分は、後輪がスリップした場合に前輪にトルクを伝えるオンデマンド式。
エンジンを貫通する1本のドライブシャフトの両端に前後アクスルをそれぞれ配置するのは、ある意味コペルニクス的にシンプルな発想と言えそうだ。
FFのトピックは駆動方式だけではない。エンジンも新しいV12・GDIエンジン(直噴)が用意される。200barの高圧インジェクターを採用し、クラストップの高圧縮比12.3と、8000rpmまで最適な空燃費を実現している。ピストンはグラファイトコート、ピストンリングも物理コーティングが施され、バルブリフターはDLCコート。オイルポンプは常時可変式で、点火はイオンセンサー制御となるなど、高効率化に向けて様々なハイテクが導入されている。その結果、1750rpmより上の回転域で最大トルクの80%を発生するという。
トランスミッションはカリフォルニアと同じ7速のF1デュアルクラッチで、シフトプログラムやダンパーモードを切り替えるマネッティーノには、4WDモデルらしくWETとローグリップ(アイス/スノー)が追加された。
日本仕様では標準装備となるHELEシステム(High Emotions, Low Emissions)は、スタート/ストップ機構、ラジエーターファンへのブラシレスモーター採用、ギアシフトの最適化、連続制御式燃料ポンプ(オルタネーター制御)、外部制御機能付きACコンプレッサーで構成され、低燃費に貢献している。これらの結果、従来のV12と比べて燃料消費は25%削減されたという。
ピニンファリーナがデザインした長いノーズとシューティングブレーク風のキャビン&ハッチバックを組み合わせた特異なプロポーションは、前47:後53の重量配分比を実現。リア周りにはサイドを流れる気流をテールエンドで剥離させるベースブリードが付加され、トランクリッドには控えめなスポイラーが、リアバンパー下には大型ウイングを装着。そのウイングの前方、ボディ下部のリアホイールの間にはディフューザーが備わる。
インテリアでは、中央の回転計の左右に5インチのVGAディスプレイを備える新型インパネを中心に、新形状のF1ギアシフトパドルを装備したレーシングステアリング、新型インフォテイメントシステムが備わった。ナビ画面などを表示するインフォテレマティックシステムも、タッチスクリーン式の6.5インチVGAディスプレイの新型で、DVDプレイヤーや40GBのHDD、ボイスコマンドやUSBコネクタを備え、iPod/iPhoneにもフル対応する。
前席は195cmまで、後席は185cmまでのパッセンジャーに快適な空間を提供する4シーターレイアウトも見所。室内には20リッター分の収納スペースがある。
トランクルームは通常で450リッター。4人乗車でも標準サイズのキャリーケース4個、またはゴルフバック2個とソフトスーツケース2個、またはベビーカー2台とソフトスーツケース2個を飲み込む。リアシートバックを倒せば800リッターとなってゴルフバック2個と標準サイズのキャリーケース2個などを収納可能。長尺物も収納可能だ。
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