新型X3 に海外試乗! “大トリ”に相応しい実力
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:BMWジャパン
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:BMWジャパン
走りについては、10段階評価でいえば3段階くらいは快適さが向上しているのではないだろうか。現行型は、重心の高さによって犠牲になりかねないBMWならではのスポーティさを、サスペンションを引き締めることによって実現していた。
ところが、次期型X3は乗り味の硬さを一切感じさせない。サスペンションは、フロントこそ現行型と同じダブル・ジョイント式ストラットだが完全な新設計となる。リアは、セントラル・アーム式から5リンク式マルチリンクに進化。サスペンションの設定は動きのスムーズさが目に浮かぶほどしなやかであり、ランフラットタイヤを装着していながら路面の継ぎ目を踏み越えても不快感をともなう突き上げが伝わることがない。乗り心地の快適さでは、ラグジュアリー感を際立たせたレクサスRXやボルボXC60を超えているのではないだろうか。
ただ、高速域では路面の大きなうねりを通過するときなどにボディ上下動の収まりが遅れることがある。それでさえ、一瞬のことでありフワつき感に結びつくほどではない。もちろん、操縦性の正確さや安定性の高さを損なうわけでもない。しかも、この設定は試乗車がダンパーの減衰力を連続可変制御するオプションのダイナミック・ダンパー・コントロールを装備していたからだ。走行モードが選択できるダイナミック・ドライブ・コントロールとの協調制御により、ノーマルでは標準仕様のダンパーと比べてやや低めの減衰力を維持。いわば、市街地走行などの速域を前提とした設定なのだ。
走行モードをスポーツにすることで、標準仕様のダンパーと比べてやや高めの減衰力で連続可変制御される。そのため、速域を上げるとボディのムダな動きがまったく気にならなくなる。それでいて、ダンパーの減衰力が高めになってもサスペンションが突っ張ったような感じにはならない。今回の国際試乗会では山岳路でスポーティな走りを楽しむ機会はなかったが、郊外路のコーナーを駆けぬけたときの操縦性からは“スッキリ系の小気味よさ”が確かめられたことを付け加えておこう。
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