お値段3億円超えでも112台が一瞬で完売! 復活した新型「カウンタック」にはランボルギーニの歴史と未来のすべてがある
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 196
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 196
>>ランボルギーニ カウンタック LPI800-4のカタログデータをチェックする
ランボルギーニ社が「カウンタック(countach:日本の表記ではカウンタックだが、イタリア語の発音はクンタッチに近い)」を復活させた理由は同社にとって非常に重要なモデルだったからだ。
オリジナルのカウンタックは1966年から発売していた「ミウラ」の後継モデルとして開発がすすめられていた中の1台で、1971年のジュネーブショーでは参考出品として、ランボルギーニではなくてベルトーネのスタンドに展示された。
ピエモンテの方言で「一体何だこれ!(countach)」と名付けられたように、マルチェロ・ガンディーニの未来的なデザインは当初市販は到底無理と判断されていた。しかし反響は凄まじく、社長のフェルッチオ・ランボルギーニは今からちょうど50年前の1972年5月に生産販売を決定したのだった。
その後、ランボルギーニ社は幾多の経営難に遭遇したが、カウンタックは1990年まで生き延び、およそ2000台が出荷されたのである。当時スーパー・スポーツカーとしては異例の生産台数と長寿が日本にも輸出された一つの要因であった。そしてカウンタックのV12縦置きパワートレーンと前衛的なデザインはランボルギーニのDNAとして、その後に登場してきたモデルに受け継がれているのである。
復活を果たした新型「カウンタック LPI 800-4」の試乗会はランボルギーニ本社のある北イタリアのサンタアガタで開催された。生産台数が僅か112台ゆえに我々の前に現れた試乗車は1台であった。また比較のために2台のオリジナルカウンタック「25周年記念モデル」と「LP400」も用意されていた。
インパクトホワイトのカウンタックのボディサイズは全長4.87m×全幅2.1m×全高1.14mで、半世紀前のオリジナル・モデルよりも7.3cm長く、7cm高い。
社長のステファン・ヴィンケルマンは「単なるレトロではなく、将来のデザイン方向性を見据えた新提案である。」と主張するが、前方に鋏(はさみ)のように跳ね上がるシザースドア、フロントウインドウの切り抜き、六角形のホイールハウスとテレフォン・ダイヤル・ホイール、そしてNACAダクトなどのデザインアイコンが残されている。
>>ランボルギーニ カウンタック LPI800-4のカタログデータをチェックする
風洞で鍛え上げられた楔(くさび)のようなフォルムのスムースなサーフェスをもったボディはさすがに時代の隔たりを感じる。当時「カウンタック・アクロバット」と揶揄された乗降性は、高くなったルーフと低く細いサイドシルのお陰で大きく改善されている。
室内は大人2人分の必要にして十分な空間。ルーフは比較的低いが透明度が変わる液晶ガラスで圧迫感はなく、後方視界も何とか確保されている。
インテリアは大きく弧を描いたタコメーター、シフトインジケーター、速度が表示されるデジタルメーターがドライバーの正面に、またカーボン製のセンターコンソールにはインフォテイメントパネル、空調やシートヒーターなどのアナログスイッチが並んでいる。
ステアリングホイールはマルチファンクションではなく、ステアリングの操作に専念できる。ランボルギーニは将来的にはアウディから音声入力システムを導入する予定なのだ。
>>ランボルギーニ カウンタック LPI800-4のカタログデータをチェックする
真っ赤なカバーのスターターボタンを押すと6.5リッターV12エンジンが目覚める。パワートレーンは基本的には2019年にわずか63台のクーペと19台のロードスターが販売された「シアン」と同じマイルドハイブリッドシステムが搭載され、スーパーキャパシター(コンデンサー)によって駆動される34馬力の電気モーターが組み合わせられる。
このシステムは軽量で作動が素早く、大排気量自然吸気エンジンのアシストを行う。システム出力は814ps、最大トルクは720Nmを発生。組み合わされるトランスミッションはアベンタドール以来ランボルギーニの看板となっているイタリア・グラチアーノ社製ISR(インディペンデントシフティングロッド)7速セミオートマチックで、シングルクラッチながらデュアルクラッチ方式よりも素早く快適なシフトワ―クを提供する。
カタログ上のダイナミック性能は0-100km/hが2.8秒、200km/hは8.6秒、最高速度は355km/hである。最大トルクを6750rpmで発生するV12 エンジンは高回転タイプで澄んだエグゾーストサウンドが響き渡る。
>>ランボルギーニ カウンタック LPI800-4のカタログデータをチェックする
アウトストラーダの入り口からフルスロットルで試みたトルクの盛り上がり感と息の長い加速はEVスポーツカーでは体験できない魅力だ。可変ステアリングは軽めで正確、4WSの助けもあって自重1.6トン、2.7mのホイールベースにも関わらず敏捷なハンドリングを可能にしている。
プッシュロッドとマグネティックダンパーによる乗り心地はスーパースポーツ相応に固めだが、シャーシは決して不快な突き上げなどをパッセンジャーに伝えず、GTカーとしての快適性は十分に保たれている。一方でフロント20インチ、リア21インチのピレリPゼロのグリップは強大で、タイトなコーナーはもちろんヘアピンでも狙ったラインをトレースすることができた。
新型カウンタックは240万ユーロ(約3億4千万円)と庶民の想像を超える価格にも関わらず、昨年ペブルビーチで公開された直後に限定生産台数112台が完売してしまった。もちろん日本への割り当てもあり、先日1台が上陸したはずだが、それ以外に何台が輸入されるかは発表されていない。
ただし、現地の情報によれば、あと10年経てば同じようなコンセプトを持ったニューモデルが再登場するはずで、買い損ねたリッチな人はそれまでに十分な可処分所得を蓄えておくことをお勧めする。
>>ランボルギーニ カウンタック LPI800-4のカタログデータをチェックする
>>ランボルギーニのカタログモデルをチェックする複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
過酷すぎる走行テストを経て「ディフェンダー・オクタ」7月3日発表へ!プレビューイベントも開催予定
新型「ミニ・エースマン」世界初公開! 第3の“新世代ミニ”は 全長4.1mの電動5ドア・クロスオーバーで登場
マツダが新型“最上級セダン”「EZ-6」世界初公開! 光るグリル&半円4連テール&超豪華内装がカッコイイ! 斬新すぎる「マツダ6後継機!?」中国に誕生
そろそろTシャツの季節! ホンダファンにはたまらん歴代シビックのイラストTシャツはいかが?
ガソリン代が高いからって寒いのをガマンしても得なし! クルマのエアコン「暖房オフ」は燃費にほぼ効果がなかった
使い勝手の良さを兼ね備えたアーバンSUV! ホンダ「ヴェゼル」がマイナーチェンジ
国産車初の電動メタルトップは駄作? なんで窓枠が残るのよ! 世にも不思議な[ソアラエアロキャビン]は今が底値!
ヒョンデの高性能EV『アイオニック5N』が日本上陸! 特別仕様車の予約開始
「えっ?」メルセデス・ベンツの最新「Gクラス」は4モーターで“戦車みたいな旋回”を実現!? 実車との初対面で実感!「G580EQ」はすべてが驚異的
ホンダが「新型SUV」正式発売! “SUV×セダン”融合させたデザイン採用!? ヴェゼルと違う「e:N」、中国に
三菱 ASX 改良新型…デザイン刷新&機能強化
WR-Vには負けられん! 「ヴェゼル」が新顔「ハント」を加えて色々テコ入れ、格の違い目指す
【1年以内に発売予定!】トヨタ新BEV「bZ3C」&「bZ3X」を中国で世界初公開
マツダが後輪駆動スポーティセダン「EZ-6」を中国で発表! 新型「CX-5」を匂わすSUVコンセプトも
伝説の「パジェロ」に続き「パジェロミニ」も開発中か。三菱が“令和のRV軍団”復活へ
【こりゃ驚いた!】欧州三菱コンパクトSUV「ASX」がマイナーチェンジで顔一新!
【同じに見える人集合】新型ミニはどこが変わった? 新旧の違いを写真でチェック!
200万円台前半でも走りはシビック級。コスパの鬼「WR-V」の秘密はホイールベースにあった
新型GR86は1.6Lターボ? 謎多きスープラの本性は!? S耐開幕戦からGRの次世代モデルを占う
ホンダのお手頃SUV「WR-V」が絶好調。一番人気は中間グレード「Z」、色はプラチナホワイト