アウディA2コンセプト EVで2016年に登場?
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏
アウディA2は1999年から2005年まで生産されたアルミ・ボディを持ったユニークな4ドアスモールカーであった。しかし先進の総アルミボディ故に比較的高価な上、当時の感覚ではちょっと奇妙な背の高いデザインは「かっこ良いアウディ」を求める顧客からそっぽを向かれ、6年間で17万6400台を売って終止符が打たれてしまった。
ところが最近になって、その先進性と魅力とが再発見され、ドイツでは中古の人気が跳ね上がっている。A2への関心の高まり故にこれまで何度もこのモデルの復活が騒がれるようになってきた。そしてアウディ社長もA1とA3の間に確かに開きがあると言及するに及んで、A2の登場は時間の問題となったのだ。そして今回のフランクフルト・ショーにA2コンセプトとして公開されることが決まった!
全長3.80メートル、全幅1.69m、そして全高1.49mのスリーサイズは初代モデルに非常に近い。ちなみにオリジナルは3.82m、1.67m、そして1.55mでA2コンセプトよりもやや背が高い。
A2コンセプトは電気自動車として考えられており、ボディを軽くするためにアルミとカーボンのコンポジットで構成されている。重量は明らかにされていないが、オリジナルA2は当時もっとも軽量なモデルで895kgを誇っていた。おそらくA2コンセプトは900kg台に収まっているものと思われる。
ショートデッキ、ロングキャビンのエクステリアデザインはオリジナルA2を彷彿させる。特徴的なヘッドライトはマトリックス・ビームと呼ばれる次期LEDテクニックである。発光ダイオードとマイクロリフレクターが組み合わされ、正確な照射と同時に、対向車の眩惑防止機能も持っている。またヘッドライト・ユニット周囲にはごく細く繊細なデイ・ドライビング・ライトがレイアウトされている。一方、ボディをウィンカーを始めとする様々な機能を持った光の帯が取り囲んでおり、近づいたドライバーを感知して発光、解錠する。
インテリアは見るからにコンセプトで、キャビン内には4脚のセパレートシートがレイアウトされている。
このA2コンセプトは文字通り、コンセプトであってこの姿のまま市場に現れる事はない。噂によればA2はBMW i3に対抗すべくEV として2014年に市場導入されるよう計画されていたが、アウディが自分でEVプラットフォームを作るのはコストが掛かり過ぎる。そのためには親会社のVWからEVプラットフォームの供給を受けなければならない。そこでA2 EVの市場投入はVWゴルフ ブルーeモーションが発売されるタイミングと同じ、すなわち2016年へと延期されてしまったと噂されている。
それでもこの時期にA2コンセプトを公開するのはやはりライバルであるBMWが一足先にオールカーボン・ボディのi3を発表したことに対するアウディのプライドかも知れない。
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