新型ステップワゴン試乗、全方位に考えられた隙のない完成度
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:小林 俊樹
室内の容積が増え、ガラス面積は大きく、しかもリアには構造上重くなることは避けられないわくわくゲートも備わるだけに、走りには不安が募るところだが、ボディは徹底的な剛性確保が図られており、車重を増やすことなく、しっかりとした走りの土台を築き上げている。おそらく誰もが走り出してすぐ、それを実感できるはず。そのボディ、重々しさは無いのにとてもカチッとしている。
ステアリングは中立位置での据わり感を重視したと謳われているが、実際には高速域でも、軽く手を添えておくだけで直進していく…というほどではない。多人数乗車の方が良いのだろうか? 普通はそんなことは無いだろうと考えれば、よりリラックスできる直進性が欲しい。
一方、山道に入っていくと腰砕け感無く、安心できるハンドリングを披露してくれる。細かく見れば、ベースのステップワゴンについては、前輪がすぐに鳴き出すのがちょっと興ざめ。もう少し踏ん張ってほしいなという人は、専用のダンパー、更には高剛性ハブベアリングまで奢ったスパーダを選んだ方が良さそうだ。
いずれを選んでも快適性はこのクラスのベストと言っていい。前席だけでなく2列目、そして3列目でも突き上げ感などは最小限で、快適に過ごせる。
また、室内騒音の小ささにも触れておこう。剛性高いボディを土台に効果的な遮音、防音対策を施すことにより、たとえば1列目と3列目でも自然に会話が楽しめるのは確認済みである。これもまた疲れの少ない、快適な移動に大いに貢献するはずだ。
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