Eクラス クーペの技術 文系もわかるエコ解説
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
E250CGIクーペが燃費がいい理由は、大きく分けて4つある。
V6と比べると直4はパーツが少なく、内部の摩擦抵抗が小さい。加えて、ターボの特性を馬力志向ではなくトルク志向にしたことでより低い回転数で走行できるようになった。エンジンの内部抵抗は回転数の2乗に比例する(回転数が2倍になると内部抵抗は4倍)ため、低中速トルクの向上は燃費に大きく効く。
重いクルマより軽いクルマのほうが燃費がいい理由は改めて説明するまでもないだろう。
筋肉量の違いが基礎代謝に影響するのと同じで、同じ回転数なら排気量の小さいエンジンの方が燃料消費は少ない。とくにアイドリング時や巡航時といった低負荷状態では大きな差が出る。過給圧をコントロールすることによって、パワーが必要なときは大排気量(たくさん過給)、そうでないときは小排気量(過給なし)というように、ターボをある種の可変排気量装置として使い効率を高めている。
エンジンの効率は圧縮比に比例するが、ターボエンジンで圧縮比を高くすると圧縮行程でシリンダー内の温度が高くなりすぎ、エンジンを壊す原因となる異常燃焼(ノッキング)が起こってしまう。しかしシリンダー内に燃料を140気圧(一般的なポート噴射タイプの噴射圧は4気圧前後)で直接噴射することによる気化冷却が起き、ターボエンジンでありながら高圧縮比化=高効率化を実現できた。
え、難しいって? うーん、それなら「直噴+ターボを利用した排気量のダウンサイジング」は、ガソリンエンジンのもつ楽しさ、気持ちよさを維持したまま、燃費を低減する技術として大きな注目を集めている、ということだけでも覚えておいてください。
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