オプションで290km/h(!)を実現する次期アウディRS3の怪物ぶり。新開発のトルク分配機能にも注目
掲載 carview! 94
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カモフラージュで外観デザインの詳細を知ることができないが、ブーメラン型LEDライト、大型でブラックアウトされたシングルフレームグリル、バンパー両脇の大きなエアインテークなどにRS系のアイコンを垣間見ることができる。インテリアも未公開でカバーが掛けられているが、アルミとカーボンの化粧パネルでスポーティに仕上げられている。
スポーツシートはやや幅に余裕がありロングツーリングも可能な快適性が確保された形で、それでもコーナーでは身体をしっかりサポートする。ステアリングホイールはボトムがフラットになっているタイプだ。
シャシーはベースモデルと共通のフロントがストラット、リアはマルチリンクの組み合わせで19インチのスポーツタイヤが標準。オプションでセミスリックのピレリ Pゼロ トロフェオRも選択可能である。テスト車にはRSロゴの入った真っ赤なブレーキキャリパーが付くセラミックブレーキがオプションで装備されていた。
新型RS3に新たに搭載されるトルク分配機能はリアデフの左右両側に配置された2基の電子制御多板クラッチで、回転力(トルク)を無段階に左右の車輪に振り分けることができ、これによってアンダーステアを軽減する。すでに何年も前にホンダや日産が量産化したものだが、アウディのそれは各センサーから送られたさまざまな運転状況や路面情報を感知し、そこから計算された駆動力の振り分けによって、ブレーキを利用することなく安定した操縦性を実現する。冗長性も高く、従来のトルクベクタリングシステムに比べると構造がシンプルで作動速度が速く、確実であると思われる。
ドライブを担当してくれたアウディの開発エンジニア、フランク・スティップラーは元レーシングドライバーで、ニュルブルクリンク24時間での優勝経験もある。ダッシュボードに取り付けられたテスト用のモニターを示しながら「実際のウェット路面でのドライブでは確かにアンダーは少なく、ブレーキが介入しないので安定した姿勢で高い速度を保ちながらダイナミックなハンドリングを楽しめます。さらに新たに採用されたレーシングモードではコーナーでほぼニュートラルな姿勢を保ち、サーキットで間違いなく最高のパフォーマンスを発揮することができますよ!」と語りながら見事なドリフトコントロールを見せてくれた。
ところでこのテスト直後に開催された環境カンフェレンスでアウディ社長のマルクス・ドゥスマンは、2026年以降からは内燃エンジン搭載モデルの販売は行わないと発言した。そうなるとこのRS3はまさにアウディ最後のハイパーコンパクトモデルということになるかもしれない。
ドイツおよびヨーロッパでは間もなく発表と同時に予約注文が始まり、今秋からデリバリーが開始される。価格はまだ発表されていないが、ベースモデルはおよそ6万ユーロ(約800万円)をわずかに下まわりそうだ。日本での販売は早くても来年の春頃になりそうである。
レポート(同乗試乗):Alex Ostern/Kimura Office
解説:木村好宏
写真:Audi AG
※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。
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