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アヴェンタドール海外試乗 アメージングな体験

アメージング・カー

3種のモードのうち、最もレーシーであり、かつニュートラルな設定を目指したのが「コルサ」だ。パドルシフトを引き、アクセルを踏み込んでいく。ヴァレルンガのメインストレートはスタートしてすぐに大きくベントしており、速度をぎりぎりまで高めた後、最初のコーナーへのターンインでは4速までシフトを落とせば充分にクリアできる。

再び加速し、スピードがのった状態からフルブレーキを行って、ギアを落として大きな複合コーナーをクリアした後、ヴァレルンガで最も長いストレートが現れる。スロットルペダルを踏み込んだ瞬間、圧倒的な加速感を感じる。8250rpmのレブリミット付近までエンジンの回転数を上げてはシフトアップを繰り返す。新型V12ユニットはボア×ストローク=95×76.5mmと、フェラーリに匹敵するショートストローク型となり、低回転域でも充分にパワフルだが、4000rpm以上あたりからさらに力強さを増す。200km/hを超えるスピードからでもさらに猛烈な加速を見せる。

ヴァレルンガで最も度胸を必要とするコーナーが見えてきた。あらん限りの脚力でカーボンセラミック製ブレーキを踏み込み、わずか50m秒で変速できるISRトランスミッションの性能を駆使する瞬間だ。シフトダウンの瞬間、巨大なトラクションがかかり、ガツンと大きな衝撃を感じる。

ブレーキ性能の高さに感心する間もなく、コーナリング姿勢に入っていく。ムルシエラゴと比べると60mmもロールセンターが下げられており、コーナリング時の姿勢変化が素早い。タイヤが路面に張り付くというより、路面がタイヤに張り付いてきてしまうのではないかと錯覚するほど、しっかりとトラクションがかかっている。

カンパニョーロを抜けた後、ソランテのタイトなコーナーまではあまり距離がないが、それでも充分に加速ができてしまうところがこのクルマの凄さだ。次の大きなRはスピードがのったままクリアできるから、シケインの手前までに再び加速感を味わえる。最終の“ローマ”を抜ける頃には、なんの心配もなく、メインストレートに向かってフル・スロットルを踏み込んでいけるようになる。

ひとしきり取材を終えたあと、ランボルギーニのCEOであるシュテファン・ヴィンケルマン氏が、このクルマを「アメージング・カー」と言っていたことが頭に浮かんだ。「驚愕」「絶句」「感嘆」--そのどれを取っても、英語のAmazingという言葉の意味を表すには充分ではない。しかし、子供の頃、スーパーカーに憧れた世代なら、アヴェンタドールのドライバーズシートに座れば、あの頃に感じた驚きと憧れを再び感じることができるはずだし、それはアメージングな経験となるに違いない。

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