ホンダの「交通安全トートバッグ」は評価されるべきだが、一方でその存在を残念にも思う
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:本田技研工業株式会社
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:本田技研工業株式会社
Hondaウエルカムプラザでの配布と、公式サイトを通じての無料配布の申し込みはすでに終わっているようだが、同サイトのいちばん下のほうにて「5分で作れる、まもってトート」と題し、そのD.I.Y.での作り方を紹介している。このあたりも「ホンダ、良心的やんけ!」と感じられる部分である。
以上を十分に踏まえたうえで、それでも筆者は「まもってトート」の存在を残念に思う。
なぜならば、本来であれば、子供はそんなモノを持たされる必要などないはずだからだ。
「まもってトート」の効力が十分に発揮されるのは、照明とガードレールと歩道、そして信号機が十分に発達している「都会の夜の幹線道路」ではない。その効果が存分に発揮されるのは、たぶん下記のような場所である。ちなみに下記の時間帯はどれも(当たり前だが)夕方以降を想定している。
1. ガードレールがない住宅街の細めの道
2. 信号機のない横断歩道付近
3. いわゆる田舎道
ほかにもあるかもしれないが、まあおおむねこのあたりだろう。
……上記1~3のような場所を、前方がいまいち見えにくい夕方や夜間に走るのであれば、ドライバーたるもの、おまわりさんがいようがいまいが「細心の注意を払いながらゆっくりめに走る」のが当然ではないか?
まあ「細心の注意を払いながらゆっくりめに走る」としても、見えづらいものは見えづらいわけで、世の中の交通事故がゼロになることは残念ながらないだろう。
だがそれでも、「いかにもヤバそうなシチュエーションにおいては細心の注意を払いながらゆっくりめに走る」という当たり前の行動を全ドライバーが行えば……。
少なくとも、「巨大自動車メーカーがわざわざおまわりさんの制服みたいな反射板を付けたトートバッグを作り、それを子供たちに持たせる」などという回りくどいことは、しないで済むはずだったのだ。
ホンダが憎いのではない。ホンダに「おまわりさん」を作らせた一部のドライバーが、わたしは憎い。
(ジャーナリストコラム 文:伊達軍曹)
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伊達軍曹(だて ぐんそう):自動車コラムニスト
外資系消費財メーカー勤務を経て自動車メディア業界に転身。「IMPORTカーセンサー」編集デスクなどを歴任後、独自の着眼点から自動車にまつわるあれこれを論じる異色コラムニストとして、大手メディア多数で活動中。
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