マカンGTS海外試乗。ポルシェSUVライン中、最もスポーティな走り
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ポルシェジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ポルシェジャパン
意識をコーナーに集中して走る。サーキットと違って公道のワインディングはエスケープゾーンがないから、コーナーの読み間違えは命取りになる。ほんの僅かなアンダーステアも許されない。(公道を走る)ラリー屋と(サーキットを走る)レース屋の走りの違いは、アンダーステアに対するシビアさだ。ラリーではアンダーステアは死を意味するから(崖から落ちるリスクが高い)、アンダーステアを極端に嫌い、むしろテールハッピーのオーバーステアを歓迎するのだ。
…ステアリングに忠実に、フロントのタイヤがグリップ限界を超えないように丁寧にターンインする。そんな時、マカン GTSのステアリングのダイレクト感と舵の正確性はありがたかったし、タイヤの限界予知性も素晴らしい。まるでスポーツカーだ。
しかし、その一方でヒルクライムでドライブしたマカン GTSが装備していたオプションのエア・サスペンションは、びっくりするくらい乗り心地がいい。タイヤのロードノイズも緩和され、キャビンに不快な音が侵入しない。ワインディングではスポーツカーのように、町中ではしなやかに快適に走れ、高速道路ではGTカーのようなキャラクターを持っている。私はこのエアサスを装備したマカン GTSの虜になってしまった。
一家に一台、道を選ばないどころか、SUVからスポーツカーまで何役もこなすスーパーカーがあるとすれば、マカン GTSをおいて他にない。人間の世界ではこんなスーパーカーを「余人をもって替えがたいヤツ」と呼ぶ。939万円という価格もアフォーダブルだと思った。
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