“C”はセダンかワゴンか 河口まなぶの結論は?
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:編集部
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そして今回はご近所一周の全く同じルートを生活走行という試乗会では絶対できない比較をして、見栄えだけではない“副次的効果”を発見したからタチが悪い。
ワゴン化により車両重量はアバンギャルド/エレガンスおよび搭載エンジンに関わらずセダン比で+60kg重い。しかしワゴン化による重量増以上に後軸重は大きいため前後重量配分はワゴンの方が優れ、C200コンプレッサーのアバンギャルド同志ではセダン54:46に対しワゴン52:48、C250のエレガンス同志ではセダン55:45、ワゴン52:48となる。そしてこれが走りに現れている。
ではセダンと比べワゴンの走りはどう違うかというと、車速を問わぬ全域でセダンよりもフラット感が高い。これは静的な前後重量配分の違いから想像できる通りで、動的にも加速状態でさらに前後重量配分が良くなる(加速すれば鼻が上がるから動的にはより50:50に近くなる)。結果どの領域でも、セダンの基本的に若干の前のめり姿勢に比べワゴンの方が姿勢が正されている感覚があり、走らせた時のスッキリ感につながる。もちろんこれはどちらも優れている上でのわずかな範囲内での差の話であるが。
ただワゴンはセダンに比べ後軸重が60kg重く、さらに大きな荷物を載せた時にリアが一層重くなることを想定するため、サスペンションは当然セダンよりも硬く設定される。このため段差通過では当然ワゴンの方が瞬間的なハーシュネスが大きいが、実際には悪さにならないのが美点。というのも段差通過後のハーシュネスから来るリアの上下動を、セダンより硬めのサスが即座に止めて姿勢を安定させるからだ。もっともこれも微細な違いではあるのだけれど。
普段使いではこの2点がセダンとワゴンの走りの違いで、他に大きく変わるところはない。もちろんサーキットレベルで高い入力を与えた時には挙動は異なるだろうが、今回はワゴンゆえ、それを割愛して考えて良いはず。
基本的には新型Cクラス・セダンの軽快かつ洗練された乗り味を受け継ぎつつ、先に記したプラスαがあるワケだ。さらに細かくいえばワゴン化によるキャビン形状の違いから来る車内の静粛性も微妙に異なるはずだが、文字にするほどの違いではないと僕は感じた。
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