Up!のEVプロトに試乗 VWのEV戦略が始まる

Up!のEVプロトに試乗 VWのEV戦略が始まる

■最高速度は130km/h

ブレーキ・ペダルを踏み込んだ状態で普通のキーをオンの位置に回す。すると正面のアナログとデジタルの併用ディスプレイ（未だ借りの状態）が点灯し運転可能状態になったことを示す。そして通常のセレクトレバーを“D”の位置へ落とし、ブレーキ・ペダルからアクセル・ペダルへ足を移すとクリープが始まる。最高出力は82psだが発進時から最大トルクの210Nmを発生するモーターのおかげで、車両重量が約1160kgと通常のガソリン仕様車から約250kgも増しているにもかかわらず、きびきびと力強く加速する。そしてその加速はモーターの回転数が1万1000rpmに達するまで続く。ちなみに最高速度はリミッターが作動する130km/hとなっている。

また、重量物であるバッテリーをシート下の前後アクスル間に搭載したことが、このクルマを低重心にしている。この結果、E-Up!プロトタイプはコーナリング時にほとんどロールをせず安定した振る舞いを見せる。それでもまだステアリング操作に対するクルマの動き、すなわちゲインはもう少しはっきりさせ同時にシャープにした方が良いと感じた。VWの開発メンバーによれば、そこがこのプロトタイプの解決すべき問題点だという。来年の生産開始までには一層の軽量化も図る考えだという。