アドバンの新ジャンル プレミアム系デシベル
掲載 更新 carview! 文:斎藤 聡/写真:齋藤 正
掲載 更新 carview! 文:斎藤 聡/写真:齋藤 正
タイヤの外観を見ると、4本のストレートグルーブを基調にしたリブパタンデザインで、横溝は極端に細いサイプと言っていいものとなっている。いかにも静粛性の高そうなデザインだ。太い横溝はタイヤが回転し路面に当たるときにノイズの音源になりやすい。またブロックは小さいほどタイヤがしなやかに転がってくれる。6角形よりも8角形、12角形のほうが転がりやすいという理屈だ。
そのため剛性の必要な両サイドのブロックをサイプで刻んでいる。ユニークなのは、アウト側のショルダーブロックのサイプにスタッドレスタイヤと同様の3Dサイプを施しているところだ。
通常サイプと3Dサイプの組み合わせになっているということだが、ブロックが大きく変形したときに互いに支え合いブロック剛性を高める働きを持たせているわけだ。これによって、スムーズな転がり感と静粛性、ブロック剛性の両立が図られている。
センターリブ(中央ブロック列)は、溝のない純然たるリブデザインだが、これは直進からの微小舵角の手応えや応答性を出す定石的なデザイン。その両隣のセカンドブロックは非対称パワーリブと名付けられている。リブに横溝を貫通させないことで、リブ剛性を確保しハンドルの手応えや効きを高める働きを持たせている。また、この切れ込みはサイレントツイングルーブと呼ばれ、縦溝が路面を踏んだときに起こる放射音を抑制する効果がある。アウト側のリブにはラウンドサイプが施されているが、これは、静粛性とともにウエット時の操縦性を高めるのにも効果がある。
イン側のショルダーブロックは、細いリブとセットで構成されているが、これはブレーキ時の負荷に耐えるためのデザインで、磨耗時のノイズの原因となるヒール&トー磨耗を抑制する働きがあるのだという。
トレッドデザインの話に終始してしまったが、コンパウンドも新開発で、長くて末端数の少ない高分子ポリマー(そのため発熱しにくい)と粒子の細かいマイクロシリカを配合した「アドバン デシベル専用ナノパワーゴム」を採用。
タイヤ構造も、タイヤが回転するときに起こる微振動を抑制するのに効果的なサイドウオール形状=新ラウンドプロファイルや、軽量化と剛性を両立させるハイターンバック構造…といった具合。長年のノウハウの蓄積と新しい技術をふんだんに盛り込んだタイヤ構造になっている。
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