注目のアルファ4C、現地バロッコで試乗!
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:FCAジャパン
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ではハンドリングはどうか? ステアリングはノンパワーだが、走り出してしまえば操舵力は特に重くはなく、切れば即座に反応してボディの向きを素早く変える。強いていえば、路面フィールを紡ぎ出す感触の繊細さではエキシージSのステアリングに一歩を譲るかも、という印象を持ったが、正確な比較は両者を同時に走らせたときにしてみよう。
2380mmのホイールベースによる前後重量配分は40:60というから、エンジンが軽量な4気筒だけあって、後輪荷重はミドエンジンとしては比較的軽い部類だろう。テストコースで限界域までタイトコーナーを攻めると、脱出時のパワーオンでは若干アンダーステアが顔を出すが、スロットルを閉じることによってノーズを内側に引き戻すのは容易だった。
それに対して、道幅の狭いコーナーが続く公道のワインディングロードでは、ほぼニュートラルに近い軽いアンダーステアを維持した、オンザレール感覚のコーナリングが愉しめる。それに加えて、ブレーキもオーバーサーボ感のないタイトな効きでコントロールし易いから、山間のワインディングでは正確なドライビングを気持ちよくエンジョイできる。
つまり4C、しかるべき舞台に攻め込めばコーナーを存分に愉しめるクルマだが、しかしこいつは、単なるコーナーリングマシンに終わらない魅力を備えていると僕は読んだ。
例えばあるときは小さなグラントゥーリズモとして高速道路を疾駆し、またあるときは夜の都会のホテルのパーキングに姿を現すといった風に、オールラウンドに使ってこそ、イタリア生まれの「アフォーダブル」なスーパーカーとしての存在感が生きてくるのではないか。自分がそんな風に使ってみたいという願望を含めて、僕はそう思った。エリーゼ/エキシージよりコクピットへの乗り降りが遥かに楽なのも、そういう使い方に向いている。
注目のプライスは、ほぼフル装備のローンチエディションで730万円と現地で発表された。カーボンモノコックを採用する比較的少量生産のスポーツカーとしては、予想したより低い数字だと思ったのは、僕だけではないだろう。
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