新型ゴルフVIに試乗! 6世代目の原点回帰
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:小林 俊樹
プラットフォームは共有だし、ルーフパネルや室内の一部(あの“栓抜き”を含む!)など、多くのパーツをゴルフVから引き継いでいる新型ゴルフは、口の悪い輩からはビッグマイナーチェンジなどとも言われている。しかし、実際に乗れば進化のほどは明らか。走りの実力は確実に磨き上げられているし、何より見た目にも中身にもゴルフらしさが戻ってきたのが嬉しい。
そもそも先代ゴルフVの実力は未だ一線級。いやハッキリ言って、デビューから5年を経ても、それを凌駕する勢いを見せているライバルは、ほとんどいないのが現状である。そんなゴルフを無理に変えても、それは変化のための変化でしかなく、おそらく誰も益することはないはず。そういう意味でも、そしてその結果として目の前にある商品の充実した完成度を見ても、進化熟成型という道を選んだ今回のフルモデルチェンジには大いに納得というところである。
もちろん、小型車の範であることだけでなく、時代を先取りする革新性や提案性を有することこそゴルフに期待する要素だと考えれば、物足りなさがないとは言わない。そう考えると、ゴルフVユーザーにとっては車検の時期が来たなどの事情が無い限り、すぐに買い替えるほどのものではないというのも、また事実だ。商品性という観点でも、少なくとも5年後までこのままというわけにはいかないだろうとは思う。
しかしゴルフVがモデルライフ途中に加わったTSIエンジン+DSGでその存在感に弾みをつけたように、今後もゴルフが時代を先取りしながら発展していくことは間違いない。少なくともヨーロッパで、CO2排出量の130g/km規制が始まる2012年までには何かしらの動きがあるはず。それを含めて、ゴルフが大いに注目しなければならない存在であることには、依然として変わりはない。そして肝心な話。新型ゴルフVIが、その名に大きな期待を抱いて購入するユーザーの思いを裏切ることのない、「これぞゴルフ」という充実の所有体験をもたらしてくれそうなことも、また確かだと言えるだろう。
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