キッカケは豊田会長の「走ってみない?」。マッチがS耐でレーサーに復帰したワケ【S耐富士24hレース】
掲載 carview! 文:編集部/写真:トヨタ、編集部 4
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近年ますますの盛り上がりを見せるS耐だが、日本のレース業界を見渡すと、なかなか一般層にまでその魅力が広がらないのが実情だ。
大谷翔平選手の一挙手一投足にメディアは沸き立ち、サッカー日本代表はほぼ毎戦地上波でTV放送される日本のスポーツ界だが、いま世界的にも大成功しているF1ですら、唯一の日本人として戦っている角田裕毅選手やホンダと組むレッドブル・チームの活躍は、ごく一部のメディアにしか報道されない。2023年の自動車販売台数では世界4位。自動車は日本の基幹産業であるにも関わらずだ。
その理由は、排ガスや環境問題といった、クルマ=悪という負のイメージがどこか日本人の中にまだまだ残っているからかもしれない。だからこそ、今回近藤氏が液体水素カローラをドライブする意義は大きい。
「水素(技術)をモリゾウさんが一生懸命に世間にアピールしている。僕が一緒にやることで、カーボンニュートラルということを、少しでも一人でも多くの方に伝えることができれば。今日こんなに多くの皆さまに集まっていただいて、一昨日から色々ニュースが出ているのでその効果はあったかな」
会場を歩けば、普段のレース会場ではなかなか見ないような“マッチファン”らしき女性が多数見られ、レース前、液体水素カローラの周りは近藤選手を一目みようと黒山の人だかりとなっていた。
日本独自の水素エンジン技術をレースの現場で鍛える。一般の人にとって、どこか他人事の話でまだまだ超えるべきハードルが高いのが現状だが、近藤選手のドライブによって、また一歩身近な未来の話へと近づいたかもしれない。
「できたら、また来年も」
JRP会長でもなく、近藤監督でもない。一人のクルマ好きとして、マッチは心からレースを楽しんでいる。マッチの楽しむ姿が人々に与える影響は計り知れない。
(終わり)
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