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ポルシェ911 GT3 RSとケイマンGT4、富士スピードウェイで徹底試乗【前編】

自然吸気エンジンのくせして

レースの時と同様にレーシングスーツを着てヘルメットを被り、まず乗り込んだのは「911 GT3 RS」。背が高く、背中を丸めるように座るドイツ人に合わせているらしいフルバケットシートは相変わらずどうにもポジションを取りにくいのだが、それでもキーをひねり、GT3の3.8Lから4.0Lへと排気量が拡大されて、最高出力500ps、最大トルク460Nmを発生するに至ったフラット6ユニットを目覚めさせると、荒ぶるサウンドとダイレクトに伝わる振動が、気持ちを自ずと昂らせる。

「PDK SPORT」をオン、ESCとTCはともにオフにして、PDKのフロアセレクターをDレンジから横に倒し、マニュアルモードにして発進させると、ピットロードを抜けて1コーナーまで加速していく時点で、早速エンジンの低速トルクの厚みに感心させられることとなった。8800rpmまで回る自然吸気エンジンのくせして、踏み込んだ瞬間から背中をドンと押されるかのようなパワフルさ。GT3との、たった200ccの排気量の差を、まざまざと実感させる。

しかも、その力感は決して頭打ちすることなく、回転上昇に伴って更に迫力を増していくのだから堪らない。押し寄せるパワーとトルクに豪放なサウンド。思わず首が仰け反りそうになり、ヘルメットの中でひきつった笑いを浮かべてしまう。素晴らしい快感。そう表現するほか無い。レヴリミットはGT3の9000rpmより若干下がっているが、そこに至るまでの迫力は完全に一枚上手。PDKのまさに電光石火のシフトアップの後も、まったく勢いが削がれることなく回転計の針が駆け上がっていく様には、頭の中が真っ白になる。

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