新型スイフトスポーツ 乗るならMTかCVTか?
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:中野 英幸
スイスポの具体的な特徴を述べて行こう。ボディ補強、足回り強化、インチアップによって街中の速度領域では乗り心地が若干コツコツくる。しかし、優れた振動収束特性により素早く収まるのでスッキリしており、ゴルフGTIなどコンパクト系のスポーツモデルに慣れている方なら乗り心地が良いとさえ思うかもしれない。
振動収束の良さにはダンパー(テネコ・モンロー)が大きく寄与している。スッキリとした乗り心地や安定したグリップなど路面追従性を高めるためには、ダンパーの微小な伸びと縮みの切り返し時における減衰力特性が狙った通りに発揮されることが重要。そこを求めると非常に高価なダンパーになるが、新型スイスポではさらに作動オイルが冷えた状態でもその減衰力特性が得られるようにオイルの質にまでこだわったそうだ。だからこそ1.1トンを切る車重で17インチを見事に履きこなし、スポーティドライブ時でも路面のギャップでクルマごと跳ね上げられたり、あおられることが少ない。
最も気に入ったのはスポーティに走っているときの“内輪”の使い方だ。これもダンパーの要素に関わるが、リバウンドスプリングを採用。高価なシステムだがダンパーのケース内にスプリングを入れることで、クルマが伸び上がる動きやロール(内輪の伸びロール)を、しなやかさを保ちながら抑えこむことができる。ダンパーの減衰力だけで押さえる手法だと減衰力設定が高くなり過ぎてしなやかさが無くなり、乗り心地や安定したグリップ力が犠牲になるのだ。
通常のクルマのように外輪を使ってグイグイ曲がるのは当然として、地面に対して沈み込むようにロールする事で内輪のグリップもシッカリ使いながら曲がる事が出来る。さらには連続するカーブでの切り返しレスポンスが上がるし、適正な操舵角を合わせ易い。もちろんこのような足回りの効果を高めるボディの補強にも注目。こうした真面目な作りこみによってスイスポの走りは気持ち良く快適で、なおかつ愉しいわけだ。
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